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土砂災害の危険箇所は全国に52万箇所!
土砂災害から身を守る3つのポイント

最終更新平成26年5月22日

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台風や大雨、地震等による「土砂災害」にご注意ください。傾斜が急な山が多い日本は、台風や大雨、地震等が引き金となって、がけ崩れや土石流、地すべりなどの土砂災害が発生しやすい国土環境にあります。土砂災害は一瞬にして、尊い生命や家屋などの貴重な財産を奪うなど、甚大な被害をもたらします。土砂災害の被害を防ぐためには、一人ひとりが土砂災害から身を守れるように備えておくことが重要です。そのために知っておくべきポイントを紹介します。

日本全国で発生している土砂災害

がけ崩れや土石流、地すべりなどの土砂災害は、すさまじい破壊力をもつ土砂が、一瞬にして多くの人命や住宅などの財産を奪ってしまう恐ろしい災害です。傾斜が急な山が多く、台風や大雨、地震などの多い日本では、その地形的・気象的な条件によって、土砂災害が発生しやすい国土環境にあります。

過去10年間の土砂災害発生件数をみると、平均して1年間におよそ1,000件もの土砂災害が発生しています。平成25年の土砂災害の発生件数は941件で、下の地図は各都道府県別の発生件数を示したものです。これを見ても分かるように、ほとんどの都道府県で土砂災害が発生しています。

土砂災害が発生するおそれのある危険箇所は、日本全国で約52万箇所もあります。

国土交通省や都道府県では、土砂災害による被害を防ぐため、砂防えん堤などの施設整備や警戒避難体制の整備などの対策を実施していますが、これらと併せて私たち一人ひとりが土砂災害に対して日頃から備えておくことも重要です。

平成25年の各地の土砂災害発生件数

平成25年の各地の土砂災害発生件数
資料提供:国土交通省

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土砂災害から身を守るために知っておきたい3つのポイント

土砂災害から身を守るためには、私たち一人ひとりが土砂災害に対して日頃から備えておくことが重要です。ここでは、土砂災害から身を守るために最低限知っておくべき3つのポイントを紹介します。

(1)住んでいる場所が「土砂災害危険箇所」かどうか確認する

土砂災害発生のおそれのある地区は「土砂災害危険箇所」とされています。普段から自分の家が土砂災害危険箇所にあるかどうか、国土交通省砂防部のホームページなどで確認しましょう。詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。

*ただし、土砂災害危険箇所でなくても、付近に「がけ地」や「小さな沢」などがあれば注意を。

(2)雨が降り出したら土砂災害警戒情報に注意する

雨が降り出したら、「土砂災害警戒情報」に注意しましょう。土砂災害警戒情報は、大雨による土砂災害発生の危険度が高まったときに、市町村長が避難勧告などを発令する際の判断や住民の自主避難の参考となるよう、都道府県と気象庁が共同で発表する防災情報です。気象庁ホームページや各都道府県の砂防課などのホームページで確認できるほか、テレビやラジオの気象情報でも発表されます。大雨による電波障害や停電などいざというときのために携帯ラジオを持っておくとよいでしょう。都道府県や市町村によっては、携帯電話などに自動的に土砂災害警戒情報を教えてくれるサービスもあります。

(3)土砂災害警戒情報が発表されたら早めに避難する

お住まいの地域に土砂災害警戒情報が発表されたら、早めに近くの避難場所など、安全な場所に避難しましょう。また、強い雨や長雨のときなどは、市町村の防災行政無線や広報車による呼びかけにも注意してください。

お年寄りや障害のある人など避難に時間がかかる人は、移動時間を考えて早めに避難させることが大事です。

また、土砂災害の多くは木造の1階で被災しています。どうしても避難場所への避難が困難なときは、次善の策として、近くの頑丈な建物の2階以上に緊急避難するか、それも難しい場合は家の中でより安全な場所(がけから離れた部屋や2階など)に避難しましょう。

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土砂災害の前兆現象にも注意

土砂災害には、「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」の3つの種類があり、これらが発生するときには、多くの場合、何らかの前兆現象が現われます。下に挙げたものは主な前兆現象です。こうした前兆現象に気づいたら、周囲の人にも知らせ、いち早く安全な場所に避難することが大事です。

土砂災害の種類 がけ崩れ 地すべり 土石流
 
特徴 斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる現象。崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、人家の近くでは逃げ遅れも発生し、人命を奪うことが多い。 斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象。土塊の移動量が大きいため甚大な被害が発生。 山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象です。時速20~40kmという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまいます。

主な前兆現象

  • がけにひび割れができる

  • 小石がパラパラと落ちてくる

  • がけから水が湧き出る

  • 湧き水が止まる・濁る

  • 地鳴りがする

  • 地面がひび割れ・陥没

  • がけや斜面から水が噴き出す

  • 井戸や沢の水が濁る

  • 地鳴り・山鳴りがする

  • 樹木が傾く

  • 亀裂や段差が発生

  • 山鳴りがする
  • 急に川の水が濁り、流木が混ざり始める
  • 腐った土の匂いがする
  • 降雨が続くのに川の水位が下がる
  • 立木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえる

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6月は「土砂災害防止月間」


平成26年度土砂災害防止月間ポスター
資料提供:国土交通省

毎年、6月1日~30日は「土砂災害防止月間」です。

月間中は、「みんなで防ごう土砂災害」を運動のテーマとして、土砂災害危険箇所や砂防設備などの点検や避難訓練、土砂災害防止に関する講習会、現場見学会などが実施されます。

土砂災害防止月間を機に、皆さんも自分の地域の危険な場所を確認したり、避難場所までの経路を歩いてみたりするなど、万が一の事態に備えておきましょう。

 

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<取材協力:国土交通省  文責:政府広報オンライン>

「お役立ち情報」では、国の行政施策の中から暮らしにかかわりの深いテーマ、暮らしに役立つ情報をピックアップし、分かりやすくまとめて提供しています。

政府広報

政府インターネットテレビ 徳光・木佐の知りたいニッポン!~増えているぞ! 土砂災害 日頃の備えと早めの避難
近年、局地的な集中豪雨などにより、全国各地で相次いでいる土砂災害。我が国は土砂災害が発生しやすい自然条件が揃っています。また、土砂災害が発生するおそれのある危険箇所は全国におよそ52万か所。どこの地域で起こってもおかしくはありません。そこで今回は、発生の予測が難しい土砂災害。大切な命を守るために日頃からの備えなど重要なポイントを、筑波大学生命環境系の水野秀明准教授をお招きして、詳しく解説します。
(所用時間:24分00秒)

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