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代ゼミ校舎閉鎖 背景には「現役志向」
8月25日 21時30分

大手予備校の「代々木ゼミナール」が大幅に校舎を閉鎖する方針を決めたことについて、専門家は受験生の現役志向に伴う浪人生の減少などが背景にあると指摘しています。

受験情報誌の出版などをしている「大学通信」、情報調査・編集部ゼネラルマネージャーの安田賢治さんはNHKの取材に対し、まず予備校を巡る現状について、「少子化で受験者数が減る一方で大学の数が増え入りやすくなってきているが、受験生の間では浪人してまで志望する大学を目指すより、模擬試験でA判定、B判定の所ばかり受けるといった、今の実力で合格できる大学に現役で入ろうという志向が高まっている。今の受験生は、就職も安定志向が強いのと同じように、大学受験でもむちゃをしない傾向が強く、実力以上の大学にチャレンジするよりも、合格すればそれでいいという感じになってきている。予備校にとっては現役生よりも浪人生の方がお金が入るが、こうした受験生の間での現役志向の広がり、さらには所得の伸び悩みで予備校の学費を抑えたい家庭の事情などもあって、予備校の経営環境は厳しくなっている」と指摘しています。
そのうえで安田さんは、「代々木ゼミナールは入試が厳しかった時代に、私立大学、中でも文系の受験に強みを発揮してきた。しかし今は、就職が厳しいということもあって、理系の人気が高く、とりわけ学費を比べた場合、私立よりも安い国公立をめざす動きが広がってきている。『代ゼミは私立文系に強いというイメージ』が、かえって生徒が集まらなくなる理由、そして校舎を大幅に閉めざるをえないということに、つながっていったのではないか」と話しています。
さらに安田さんは今後の予備校業界の動向について、「業界では少子化が進むなか大手ではない予備校で施設を閉める動きが出ていたが、今回、この流れがついに三大予備校まで及んだかという感じだ。大手予備校の間ではこれまで浪人生の取り合いみたいな形になっていたが、これからは今まで蓄積してきたノウハウ、大学に合格するためのノウハウを生かして現役世代を取り合うという形になっていくのではないか。ただ、現役生は浪人生のように高いお金を取れないので、ビジネスモデルは変わっていくのではないか」と話しています。

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