第16回東京03単独公演『あるがままの君でいないで』、ツアー日程決定!メンバーの豊本明長、飯塚悟志、角田晃広に創作の秘密を聞いた![インタビュー]

(左より)豊本明長、飯塚悟志、角田晃広

 日常の中に潜むちょっとした“ひっかかり”を、独特の視点と演劇的な構造で笑いへと転化させるお笑いトリオ、東京03。『キングオブコント』優勝者としての注目度も高くテレビでの活躍も目覚ましい彼らだが、そのホームであり核でもあるのが毎年開催されてる単独ツアーライブだ。ネタはすべて書き下ろしの新作。自分たちが「今最も面白い」と思っているモノだけを観客に届ける、妥協のないステージの創作の秘密とは?

東京03インタビュー

──今回のライブツアータイトルは『あるがままの君でいないで』。なんとも言えない余韻を感じるタイトルです。
飯塚 基本ライブのタイトルっていうのは僕らのネタの中に流れているノリというかテイストというかそういうモノの中から出てくるんですけど、今回はそのまま“自分の生き方”っていうのかな、そういうものを見つめ直したほうがいんじゃないかっていうところなんですよ。例えば僕は人見知りで知らない人とあんまり上手に話せないんですけど、大人だったらそんなのダメじゃん、と。だって、周りにしたら「もっとちゃんとしろよ。知らねぇからな、お前のそういうのは」ってことですし。

──人見知りに甘んじるな。あるがままの自分でいいと思うなよ、と?
飯塚 そういうことです。僕ら、この状況でこれ言ったらたぶん絶対引かれるだろうなってことを言ってしまったりとか、ずっと心に秘めてた思いを爆発的に吐き出しちゃう、みたいなネタが多いんですけど、それはダメ。「大人なんだからもっと協調性を持ちましょう」と。だからここで「ありのままの自分を一回辞めてみて」という、自分に対してのアンチテーゼですね。
豊本 僕は「こういうタイトルにしようと思う」って言われたときに──。

── 3人でタイトル会議、とかではないんですね?
飯塚 はい。基本、豊本には全部事後報告なんで。角ちゃんをメンバーに入れたときもそうですもん。東京03になったとき…僕らの一番大きな分岐点、大事件のときにも彼には事後報告。
角田 結構なことですよ〜、これは。
飯塚 な。でもあのときも「角ちゃん入れるけど大丈夫?」。
豊本 「うん、いいよ」。僕は基本的に受け入れる人間なので、今回のタイトルも決定を聞かされて、いつもと変わりなくそれを受け入れました。あ、でもちゃんと「僕らのネタっぽい感じでいいなぁ」とか、「長い文章をひとつのタイトルにするっていう感じが今までなかったなぁ」とか、思いましたよ。
飯塚 まあ…文章のタイトル、あったけどね。今までも。
角田 あるよぉ〜。『無駄に哀愁のある背中』とか。
豊本 あー。それもそうだ。
飯塚 うん。だ・か・ら。そういうところを直そうってことなんだよ。
豊本・角田 (爆笑)
飯塚 知らないから! お前のそういうの。文章がどーのこーのとか! そういうのを出してこないでっていうのが、今回のテーマなんです!
角田 えー、このように豊本がさっそく露呈してますけどね(笑)、タイトルに関しては飯塚さんと僕がいつもの飲み屋でふたりで話しているときに出てきた言葉で、自分は聞いたときに「あ、これだ!」ってピンときたんですよ。収まりもいいし、面白そうじゃないですか。それに正直僕ももうモロそれに当てはまる人間なんでね。『あるがままの君でいないで』って言われると、それだけですでにすごくやりがいがあります。

──もはや全員に人間的な課題が出されているわけですね。
角田 そういう感じです(笑)。

──ライブに向けてのネタ作りはどんなふうに進めているんですか?
飯塚 コントプラス、間に流れる映像や音楽も全部新作なので大体本番の3ヶ月くらい前から取りかかって…ただ、前回のライブは稽古も含めて全部を1ヶ月でやらなきゃならなくてそれが結構大変だったので、今回は改めて時間をちゃんと取ろうとは思ってるんです。が、僕、舞台出演(『ボクの妻と結婚してください。』)があるんですよ〜。その稽古と本番中は全然ライブのことはできないし、舞台終わったらそこからまず一週間は休みが欲しいので。
豊本・角田 (笑)  

──その間は二人のフォローが必須。
角田 俺は一応飯塚さんが戻ってきたらちゃんとできるよう、ファミレス行ってネタ集めはしておこうと思ってて…うん、頑張りますよ。
豊本 あ、僕はもともとネタを考えないので、とりあえずは戻ってくるのを待っています。楽しみに待ってます(笑)。
飯塚 ネタはいつも僕と角ちゃんがファミレスでまず台本を作り上げて、そこから3人で合わせていくんですよ。稽古は…やってるときはもう延々、一日中やってますね。台本の状態と実際に読み合わせてみるのとではやっぱり全然違うんですよ。だからまずそこを直していくのに時間がかかって、それをやりながら、できているところは台詞を覚えていって…という作業になります。
角田 でね、僕は台詞覚えが遅いんですよ。
飯塚 角ちゃんはね…遅い。遅いよ。自分で書いてる台詞なのに、なんでそれを覚えられないんだろう?
角田 台詞、面白いなーと思って書きますよ、自分で。書くけど、でもね、誰もが自分の書くモノをすぐ覚えられると思ったら大間違いですよ! 覚えられない。こういう人間もいるんですよ。
豊本 …あっ!
角田 …そ、それが、『あるがままの君でいないで』ってことですからね。
飯塚 お前今、慌てて自分で気づいただろ。
豊本 …ね
角田 ね。
飯塚 そういうのを、辞めようということだよ。  

──タイトル縛りで自戒の多い、厳しい稽古になりそうですね(笑)。
飯塚 「まあ、具体的な内容はまだまったく決めてないですけどね。一応自分の中で設定なんかはいくつかアイデアありますけど、まずはそのときに面白いなって思ったことをそのままやっていくって感じですから。実際のネタ作りは2〜3ヶ月だけど、それ以外の期間にそれぞれが出会った出来事をメモって覚えておいて、その時々で出し合っていきたいと思ってます。
角田 そうですね。僕もまだ具体的なモノは特にないんで。
豊本 僕も“もちろん”ないです(笑)。  

──前回1ヶ月でライブの準備をしたというのもみなさんのお仕事がどんどん忙しくなっている証だと思いますが、それでもこうして毎回新作を生み出し、まとまった期間のツアーでライブを続けている。そこへの思いというのは?
飯塚 舞台は一番楽しいです。なんの縛りもないし、自分たちがやりたいことだけやらせていただけるので、やっぱり“一番続けていきたい仕事”ですよね。
豊本 そうだよね。ライブで回数重ねてネタをやっていると、細かいところが段々変わっていったり、「こういう面白みもあるんだ」って楽しさが変化していくことも多い。お客さんの反応も毎回違ったりしますし、ホントにやりがいがあるんですよ。
角田 生で笑っていただけるっていうのはねぇ…気持ちがいいんですよ。そうするとまたこっちも乗っちゃいますしね。ま、「あれ? あんまりだぞ」っていうときもありますけど(笑)、それもまた刺激になるというか…なんかもう…生の反応という部分では、ウケるのもウケないのも、どっちも好き(笑)。
飯塚 僕らさっきまで10周年記念ライブのDVDの副音声を収録してたんですけど、そのステージで角田さんが刺激的なスベリを見せてくれて。ね。
豊本 ハハハハハッ(笑)。
飯塚 しびれるよねぇ〜。ほら、お客さんってやっぱりなんでもかんでも笑ってくれるわけじゃないんだって証明にもなりますから。ああしてちゃんとスベる人もいるんだよなぁ。
角田 あー、言わなくていいから。うれしくないっ、そんなの。
豊本 しかも残りますからね、DVDは。
角田 こら、うるさいよ。もう…よしなさいよ…。

──それもこれもすべてを次の糧にしていけるのが、続けている良さでもある。
飯塚 そうそう。でもね、この先俺らはどんどん歳を取っていくわけですからね。発想の新しさっていうのはなかなか難しくなるだろうから…そうなったらやっぱり“味”で勝負していくしかないでしょうね。そのときこそ、角田さんなんですよ。うちには角田がいるぞーっ!
角田 いやいやいや(照)。
豊本 ん、ここまで味のある芸人はそうそういないです。
飯塚 なにしろ20代の始めから味で勝負してきた男ですよ。ホント、発想はまったくのゼロなんですから。そんじょそこらの味とは違いますよ。
豊本 違う違う。
角田 なんか…段々悪口に聞こえてきたぞ。
飯塚 違うよ〜。だって、芸人なのに新しいこともセンスも発想も一切やってこない人なんて、ほかにいないんだからね。
角田 いやー…それは…そうなんですよ。そこは認めるしかないけど…これ、褒めてます?
飯塚 褒めてる褒めてる。  

──加齢もまた楽し。
豊本 年齢の話でいうと、出来上がってくる台本のシチュエーションも昔と違って学生モノはなくなってるし、あと、バイトよりも会社での人間関係だったりとか、やっぱり演じるキャラクターも歳とともに変化してきてるんですよね。それこそ最近はおじいさん、おばあさんとかもありますし。僕はそういうキャラクターの年齢の変化もやっていて楽しいなって感じてます。  

それはたぶんお客さん側にもあると思いますよ。共に大人になり年相応の笑いを共有するというのも、ひとつの醍醐味で。
飯塚 年相応、いいですねぇ。この先もライブをずっと続けて…20年くらい先にはホントに笑って泣けて、味のある松竹新喜劇みたいなことやるのもいいんじゃない?
豊本 藤山寛美さんみたいなやつね。

──一部は芝居で、二部は歌謡ショーとか。
飯塚 あっ、いいねぇ。
角田 実際、歌謡ショーもやってるしね(笑)。
豊本 60歳の東京03か。  

──ぜひ明治座あたりで。
飯塚 いいと思うよぉ。よし、60歳になったら明治座だ。角田さん歌ってよね。
角田 わかりましたっ。やりましょう!  

──ぜひそこまで単独ライブを続けてください! …と、その前にまずはこの『あるがままの君でいないで』の見どころをぜひ。
飯塚 そうですそうです! 我々、まだまだ味で勝負するのは早いのでね(笑)。今はホントに自分たちが一番面白いと思ったことを…最先端、とは言わないですけど、まあまあ先端のところで(笑)、やっていきたいと思います。なので、ひとまず味は置いといて、一旦ここで“今の東京03”、生の僕らをぜひ見に来て欲しいですね。
豊本 おぎやはぎとか劇団ひとりとかバナナマンさんとか、さっき話に出た10周年の記念ライブでも関わってくれているみなさんが我々のことを「面白い」と言ってくれるときがあって、自分たちはその声を信じていますし、お客様にもまあ…信頼というか…。

──お墨付きがありますよ、と。
豊本 そうですね。そんなこんなをちょこっと信じてもらって、「じゃあ一度ライブものぞきに行ってみようかな」なんて思っていただけたらうれしいな、と思います。
角田 そうだなぁ…今回は歌謡ショー目指してロビーで歌っちゃおうかな。いや、たぶんそれはやらないな(笑)。えっと、なんでしょうねぇ…まあ、今やれることを精一杯やりたいと思います。
飯塚 なんだよ。結局真面目だなぁ。
角田・豊本 (笑)。

  [取材・文=横澤 由香]

東京03コメントムービー

単独公演の見どころ、意気込み、そしてチケット購入を迷っている方へのメッセージ!


公演概要

東京03  第16回東京03単独公演 『あるがままの君でいないで』

<公演日程・会場>
2014/5/22(木)〜5/25(日) 草月ホール(東京都)
2014/6/20(金) 新潟 LOTS (新潟県)
2014/6/21(土) まつもと市民芸術館 小ホール (長野県)
2014/7/3(木)〜7/6(日) ABCホール (大阪府)
2014/7/11(金)〜7/12(土) 東別院ホール (愛知県)
2014/7/24(木) 鹿児島市民文化ホール 市民ホール (鹿児島県)
2014/7/25(金)〜7/26(土) イムズホール (福岡県)
2014/7/27(日) 熊本市男女共同参画センターはあもにい メインホール (熊本県)
2014/7/29(火) 長崎チトセピアホール (長崎県)
2014/8/2(土)〜8/3(日) 神戸朝日ホール (兵庫県)
2014/8/8(金)〜8/9(土) 仙台市戦災復興記念館 記念ホール (宮城県)
2014/8/15(金) 広島アステールプラザ中ホール (広島県)
2014/8/16(土) 岡山さん太ホール (岡山県)
2014/8/30(土) 共済ホール (北海道)

<プレオーダー受付期間>
2014/2/10(月)22:00〜2/23(日)23:59

2014-02-10 22:00 この記事だけ表示