夏ですねー。
夏といえばやっぱり初体験ですが、僕の初体験はちょっと遅くて19歳の夏です。相手は20歳の短大生、僕はなんの迷いもなく無職でした。
当時、好きだった女の子にフラれて落ち込んでいた僕は、身近にいた女性に手を出してしまいます。恋愛感情を持ってたかと言えば否です。にも関わらず、ことに及んでしまったのは、若気の至りとしか言いようがありません。ですが、僕は初体験、彼女は経験済でしたので、それほど非難されることではないように思います。
過度な性的描写は避けますが、最初のときは、奥まで入れることが出来ませんでした。奥まで入れてしまうと、彼女を傷つけてしまう、そんな気がしたのです。そのため、前後動作の最中に、何度も抜けてしまう事態が発生してしまいました。最後には、お互い顔を見合わせて笑ってしまいます。結局、その日は、彼女の手の中で、彼女の下着に出してしまいました。その原体験が、後の性的趣向に大きな影響を与えるとは、知るすべもありませんでした。
それから、これも、若さゆえですが、毎日してしまいました。暇さえあれば求めてしまう、そんな精神状態に、強い不安を抱いたものです。決して無理強いしたワケではありませんが、ただお互いに、そういう時期だったのだと思います。
はじめて奥まで入ってしまったのは、偶然の出来事でした。その日、なぜかトイレに入っていた僕たちは、狭い空間で、窮屈な動作を強いられていました。カベに手を着き体を支えていた僕は、いつものように浅く浅くを意識して同じリズムを刻んでいました。ところが、ふとした拍子にバランスを崩してしまったのです。
その瞬間、意図せず奥まで入ってしまいました。彼女は、声を出すのは耐えてくれましたが、腰を大きく震わせたため、僕はそのまま全部出してしまいました。急いで抜きましたが、あらかた出し尽くし、もう手遅れでした。僕と彼女の隙間から、床に落ちる液体がやけに透明だったのを鮮明に覚えています。
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その3ヶ月後に、ちょっとしたトラブルが起こりましたが、僕たちは都合2年ほど穏やかな交際を続けました。そのあいだに、何度も結婚の話しも出ましたが、直前までいっては躊躇し、結局、実現することなく、別々の道を歩むことになりました。
もしもあの時、結婚していれば、今とはまったく違った人生になったのでしょう。すべては自分が選択した結果です。
生きていると、いろんな出会いと別れがあります。中には好ましくない出会いもありました。しかし、総人口からすれば、ひとりの人間が他人と関わる確率は、砂浜のひと握りに過ぎません。日本の人口が1億人と示されても、それはただの数でしかないのです。
そう考えるようになって、僕は、ずいぶん楽になりました。受け入れる強さ、みたいなものが備わったのです。
みなさんも、そう考えてみてください。きっと、僕のような人間にも、優しい気持ちで見守ることが出来るようになるはずです。
では、また明日。