売りたいとき、買いたいとき、どこへ頼めばいいか?
田原 そうすると、たとえばマンションなり、住宅を売りたい、買いたいというときにはどこへ頼めばいいんですか?
長嶋 価格査定の見積もりは、2社か3社にお願いするのがいいと思います。
田原 ああ、数社にね。
長嶋 はい。そのなかで高すぎる価格査定をいうところはだめですね。
田原 ああ、だめですか。
長嶋 やはり相場というものがありますから。たとえば東京のマンションの場合ですと、相場価格よりも7%以上高くなると売りにくい。高すぎる査定を出すところは、自分たちに売り物件の依頼がほしいから、そういう査定をするんですね。それで、一回自分たちのものにしてしまったら、「いや売れません」、「売れません」と……。
田原 どんどん値をさげていくんだ?
長嶋 はい。けっきょく元の数字に戻ると。
田原 そこが問題。つまり素人が、売るのはだいたい素人ですからね、持っているものを売りたいというときに、物件のもとの値段や平均がどれくらいかとか、まったくわからないですよね。どうすればいいですか?
長嶋 相場を調べるには、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営している土地総合情報システム(http://www.land.mlit.go.jp/webland/)というデータベースがあり、これが便利です。そのなかにお住まいの地域で、過去にどのマンションがいくらで売れたというのが入っています。
田原 そういうのがあるんですか。
長嶋 はい。これをみると相場はだいたい4000万円から4300万円だなというのが、ざっくりわかります。とくに東京あたりだと、売買物件の事例が多いので、だいたいどのエリアでも何十件も、あるいは3桁の情報が入ってるんですね。
田原 それをまずみる。
長嶋 その上で、複数の不動産屋さんに査定を出してもらい、高すぎるところは外し、あとは自分の気に入ったところを選べばいい。そのときに、「物件情報の囲い込みはしませんよね」と念をおして、それを聞いてくれる業者さんだったらいいですね。
田原 そのデータベースは、買うときもそれをみればいいんですね。それをみれば、この地域の、これくらいの広さのマンションはいくらくらいと、わかりますか。
長嶋 わかります。
不動産取引にも求められる、セカンドオピニオン
田原 相場はわかったとして、不動産業者の信用度はどうやって見分ければいい?
長嶋 ひとつは都道府県庁にいきますと、その業者さんがいままでに罰金を払うようなことをしたとか、宅建業法に違反したことがあるかどうかという履歴は見せてもらえます。ただ、問題はそこまでの犯罪的なことというよりも、もうちょっといい加減なレベルの仕事っていうのがたくさんあって……
田原 そうですよね。
長嶋 そこはもう、口コミとか紹介とかで探していくしかないですよね。過去に不動産の売り買いをして、実際によかったか悪かったか、そういう経験のある人……。
田原 知り合いですね。そういう人に聞く。あるいは、それがまさに長嶋さんがやっていらっしゃる仕事?
長嶋 はい。私たちさくら事務所では、業者さんとの利害関係のないところで、その人にとってのベストの選択肢を提案させていただく、ということですね。
田原 そういう不動産コンサルタントは、たとえば東京にはどれくらいいるんですか?
長嶋 東京で、10人いるか、いないかくらいでしょうか。
田原 それじゃ、だめだ。とてもみつけられない。(笑)
長嶋 まだまだ少ないですね。わたしがやりはじめたのは15年くらい前です。個人にとっては大きい売り買いをするわけですから、お医者さんの世界と同じで、セカンドオピニオン、第三者の相談やアドバイスがぜったい必要だと思ったんですよ。でも、当初三年くらいは、まったくだめでした。最近でこそ、うまくいくようになりましたが。
田原 最初はお客さん、いなかった?
長嶋 ほぼゼロですね。一年目の売り上げが70万、2年目が150万でした。(笑)
仲介手数料は値引きできるか?
田原 もうひとつね。不動産屋さんは大手と街の不動産やさんとどちらに頼むのがいいですか。
長嶋 それはどちらにもメリット、デメリットがあります。大手の仲介業者さんは、契約書類や社内のコンプライアンス、あるいは人材の質も、ある程度、一定のレベルでそろっているというのはありますね。ただ、それでも情報の囲い込みはゼロではありませんが。デメリットとしては仲介手数料は値引きはしてくれないですね。
田原 値引きしない。
長嶋 しないところが多いです。一方で中小の不動産業者さんは、これはもう、本当にぴんきりです。なかには大手顔負けの優秀な人、非常に優れたエージェントが、ときどきいたりします。ただ、やはりばらつきが大きいですね。手数料については値引きに応じてくれる可能性はこちらのほうが大きいです。
田原 中小のほうがね。
長嶋 はい。仲介手数料は物件価格の3%ですが、3%というのは上限が3%ですよと、通達で決まっているだけで、本当は2%でも1%でもいいんです。
田原 そういうもんなんですか。
長嶋 はい。ですから本来は、値引きの交渉ができるんですけどね。
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