福島原発事故:栃木の最終処分場候補地を副環境相視察

毎日新聞 2014年08月25日 12時17分(最終更新 08月25日 12時53分)

放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分場候補地を視察する井上信治副環境相(中央)=栃木県塩谷町上寺島で25日午前、長田舞子撮影
放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分場候補地を視察する井上信治副環境相(中央)=栃木県塩谷町上寺島で25日午前、長田舞子撮影

 東京電力福島第1原発事故で生じた放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場問題で、井上信治副環境相は25日、栃木県の候補地に選んだ塩谷町上寺島の国有林を視察した。この問題を巡っては、見形和久・同町長が18日に石原伸晃環境相あてに「候補地の白紙撤回」を求める意見書を提出するなど、地元は拒否の姿勢を明確にしているが、井上副環境相は現地で「フラットで人工林の場所なので、適地だと思う」と述べた。

 井上副環境相は、太平洋に流れ込む那珂川の源流の一つ、西荒川の清流から100メートルほど離れた国有林を約15分間かけて視察。環境省職員から土地の傾斜や交通アクセスについて説明を受けながら「きれいな川が流れていますね。地元の方の心配はよく分かる。住民の心配を払拭(ふっしょく)できるように考えることが大切だ」と語った。そのうえで、今後の方針として「地盤や地質などについては、ボーリング調査をしないと分からないので詳細な調査をさせていただきたい」と話した。

 この後、地元が受け入れ反対の理由の一つに挙げる、候補地近くの名水百選(環境省選定)の「尚仁沢湧水(ゆうすい)」を視察した。【長田舞子】

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