東京電力福島第1原子力発電所事故で発生した指定廃棄物の最終処分場の建設を巡り、井上信治環境副大臣は25日午前、栃木県の候補地に選んだ塩谷町の国有地を視察した。7月末の選定以来、環境副大臣が現地入りするのは初めて。
井上副大臣は同町上寺島寺島入にある建設予定地を訪れ、周辺の地形や水源からの距離などを確認した。候補地の近くにあり、町が受け入れ反対の理由の一つに挙げている名水百選の「尚仁沢湧水」も視察した。
井上副大臣は見形和久町長と面会し、視察の感想などを伝えた。副大臣は面会後、記者団に対し「建設候補地は川との距離が近い。水源への地元の心配を払拭することが重要だ」と述べ、改めて詳細調査が必要との考えを示した。これに対し、町長は「詳細調査の受け入れは断固拒否する」と記者団に話した。
環境省は7月30日、塩谷町を候補地に選び、詳細調査への協力を要請した。見形町長は今月18日、白紙撤回を求める町議会の意見書を同省に提出した。地元住民らも反対組織を結成している。
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