オスプレイ:佐賀空港配備 先行き不明 農漁業者に不安
毎日新聞 2014年08月22日 22時47分
空港に面する有明海はノリの販売枚数・額が11年連続で日本一を誇る。ノリ養殖業の江頭大幸さん(52)は「今の民航機だけでも騒音がひどいのに、オスプレイまで来たら耐えられない。もし落ちるようなことがあればノリは駄目になる」と不安を拭えない。
空港に近い福岡県柳川市の金子健次市長は「オスプレイが市街地を飛ぶようなことになれば反対する」と述べている。
空港建設時、佐賀県が地元漁協と交わした公害防止協定の覚書付属資料には「自衛隊との共用はしない」と明記されているが、配備計画について古川康知事は「まずは地権者がどう考えるかが大きな要素」と地元に判断を委ねる。一方、同漁協の徳永重昭組合長は「漁協が判断することは全く考えていない」と反論する。国は今月中に地元の理解を得ることに期待を示したが、今後の手順さえ見通せず、計画の道のりは険しそうだ。【松尾雅也、鈴木一生、関東晋慈】
◇佐賀空港オスプレイ配備計画
空港西側の滑走路に接した約20〜30ヘクタールを国が購入し、駐機場などを整備。2019年度から陸上自衛隊のオスプレイ17機を配備し、陸自目達原(めたばる)駐屯地(佐賀県吉野ケ里町)のヘリコプター隊50機を移設する。更に米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設完了までの間、普天間のオスプレイも暫定配備する。防衛省は今年8月末の来年度予算案の概算要求に用地取得費などを計上する意向。