小野寺五典防衛相は25日午前、佐賀県庁で古川康知事と会談し、陸上自衛隊が導入する垂直離着陸輸送機オスプレイを佐賀空港(佐賀市)に配備するため、2015年度予算の概算要求に関連経費を計上する方針を伝え、理解を求めた。
古川知事は「国から地元に十分な説明をしてほしい。安全性について問い合わせも多い」とした上で「防衛省の概算要求については申し上げる立場にはない」と述べ、容認する意向を示した。
防衛相は「不安解消に努力したい」と説明した。米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)で運用している海兵隊のオスプレイを県外で訓練する際、佐賀空港を整備や給油の拠点として活用したいとの意向も示した。
一方、普天間基地の名護市辺野古への移設が完了するまでの間、米軍のオスプレイを同空港で「暫定的に利用」する構想については言及しなかった。会談後、防衛相は記者団に「沖縄の負担軽減に何ができるか政府全体で今後、協議したい」と述べるにとどめた。
防衛相は、同日午後には佐賀市の秀島敏行市長や佐賀県有明海漁業協同組合の徳永重昭組合長とも会い、配備計画などについて説明する。
オスプレイはヘリコプターの垂直離着陸と、飛行機の高速飛行の機能を併せ持つ。政府は南西地域の離島防衛や災害派遣での活用を想定し、離島奪還時の主力部隊の本拠地である長崎県佐世保市に近く、海に面している佐賀空港が配備先として適しているとみている。
政府は18年度までの中期防衛力整備計画(中期防)でオスプレイ17機の導入を明記している。
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