原発事故・吉田調書:官房長官「9月に公開」一部黒塗りで

毎日新聞 2014年08月25日 11時33分(最終更新 08月25日 12時57分)

菅義偉官房長官=首相官邸で2014年7月3日
菅義偉官房長官=首相官邸で2014年7月3日

 菅義偉官房長官は25日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発の事故を巡り、政府の事故調査・検証委員会(政府事故調)が行った吉田昌郎元所長(故人)の聴取記録について「9月のできるだけ早い時期に公開する」と発表した。公開内容については「第三者の権利や利益、国の安全に関する部分は黒塗りにしたい」と述べ、部分的に非開示にする考えを示した。

 吉田氏は生前、提出した上申書で内容を非公開とするよう求めており、政府はこれまで公開してこなかった。しかし、朝日新聞や産経新聞が聴取内容を報道。菅氏は方針転換の理由について「一部のみを記事にした複数の報道があり、(自分の発言が)『独り歩き』するとの吉田氏の懸念がすでに顕在化している。非公開とすることが本人の意思に反する」と説明した。

 政府は、政府事故調から聴取を受けた他の東電や政府関係者にも意向を確認し、本人の同意が得られたものから順次、公開する方針。菅氏は「年内には(公開を)全て終えたい」と述べた。【木下訓明】

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