「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」と言ってくだらないことで喧嘩するのが夫婦なのですが,周りから見て「そんなくだらない理由で」と思うことも,当事者にとってはそんなことはないということが多々あるわけです。離婚する夫婦が「今思えばあれが原因だろう」と思うことも長い年月をかけて蓄積された不満が爆発したにすぎません。
特に一方にとっては大きな問題で,一方にとっては小さな問題である場合,以下のような希望が一方から出されることになり,夫婦間の溝が埋まることはありません。
だから、ささいなケンカはいったん見逃してほしいんですよね。寝たらケロっと忘れてほしいんです。ほら、男はいつまでも子供だって言うじゃないですか? ちゃんと反省はしますから! あなたの喜ぶ顔を想像しながら何種類ものシュークリーム選びますから!! ジャーンってサプライズしますから!!!
女性の皆さん、寝て起きたら昨夜のケンカは忘れてくれませんか? | マイナビニュース
こういう意見に対してはせ おやさい (id:hase0831)さんは以下のように言います。
長く書いてもアレなんでサクッと結論いうと、こういうときって「自分の気持ちをないがしろにされた」ことに対して怒るんだと思うんですよね。何を食べられたとか実際どうでもよくて、「楽しみが失われてガッカリしている気持ちを、相手が尊重してくれない」のがショックなんじゃないかな。自分にとっては大切なことなのに、相手から「たいしたことねえだろそんなこと」って言われちゃうの、けっこう傷付くよね。わたし自身の感情なのに、その軽重をそっちが判断するのかよ、みたいな。
怒りポイントはそこじゃないっていう話 - インターネットの備忘録
私はエクレアといのは氷山の一角でたまたま問題がエクレアという現象として現れていると思うんですね。はせ おやさい (id:hase0831)さんのいう「気持ちの尊重」が今までもなされていなくて,それがたまたま今回はエクレアであったということです。
こういう問題は結婚生活すべてに起こりえます。例えば私の場合は以下のような感じで,妻に怒られることがあります。
妻「あれ,爪切り何処に行った?」
夫「ここにあるよ」
妻「なんでここにあるの。しっかり片づけてよ。いつもそうだよね」
夫「すいません」
そう,いつもそうなのです。だから怒る。しかし改善されないというのがなかなか難しいのですが,こちらとしてもその習慣を直そうと努力していくわけです。今はかなり改善されてはいますが…。
そしてこうした習慣は爪切りに端的に表れているだけで,他の問題にも共通しており,「私がお願いしても聞いてくれない」「私のことを分かってくれない」という夫婦間の根本の気持ちの問題にまで行き着くのです。
そうなるとどんな些細な問題でも気持ちの問題に行き着くので,問題を解決するということができなくなります。いわゆる「価値観のちがい」というものです。熟年離婚の一番の原因らしいです…。その結果は「忘れてくれる」のではなく「諦める」になるのです。そして家庭内別居で夫婦関係は円満ですという話に。
私の周りにもそういう夫婦がいて,子どもがいるんですけど夫婦関係は最悪で,以下のような会話が夫婦間でなされています。
夫「俺たちそのうち離婚するんだから手に職をつけた方がいいよ」
妻「そうだね」
離婚前提の夫婦生活。そして今後は別の人生を歩むための準備期間。ただ周りの評価は「あの奥さんは離婚して一人で仕事して生きていけないから離婚しないだろう」というものです。そうやってだらだら結婚生活が続くのかもしれません。
私の親戚のおじさんは同窓会で再会した女性とダブル不倫をして「今が人生で一番楽しい」と言っていました。離婚は現在でもしておらず,その奥さんは「私は旦那のお母さんなんだよ」と言っています。周りからは理解できない夫婦ですが,「諦める」とはこういうことかと究極の形を見せつけられています…。
「忘れてもらっている」「うちの妻は理解がある」と思っていたらいつの間に「諦められていた」。離婚届と共に奥様がが出て行かれないことを切に願っています。「エクレア」の変わりは「シュークリーム」ではなく,相手の話をよく聞いてお互いの気持ちを尊重することだと思いますよ。
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