飯柴智亮氏は、アフガニスタンで実戦を経験した元米陸軍情報将校である。
退役後、トロイ大学大学院で国際政治学・国家安全保障を研究し、修士を取得。現在は米国で、ミリタリー・アドバイザーとして活躍している。
今回、飯柴氏の元米陸軍情報将校としての能力と、ミリタリー・アドバイザーのコネクションを駆使し、在日米軍が撤退する可能性とその時期について、米国内において、政府・軍関係者、および軍産複合体関係者に広く取材を敢行した。
そこで得られた情報を元に、本書は作成された。
なお、情報元には多数の現役の政府・軍関係者がいる関係上、発言者はすべて、「関係者」または、「高官」と表記させていただいた。
(小峯隆生:聞き手、筑波大学非常勤講師)
米国にとって「日米同盟」とは
空気と水のようにずっとそこにあると思われている在日米軍。
しかし、それはまったくの勘違い。なぜなら米国は民主主義の国であるとともに資本主義の国でもあるからだ。その判断は、まずは国民の民意に基づくが、さらには経済原則に基づいても合理的に下されるのだ。
即ち、必要か不要か---合理的に判断が下されれば、動くしかない。
米軍は、敗戦でベトナムから撤退し、同時にタイからも撤退。金銭問題で、フィリピンから撤収。湾岸戦争が終われば、サウジアラビアから引いた。イラク戦争が終われば、全面撤退した。
東アジア---朝鮮戦争はあくまで休戦中のため、韓国に米軍は駐留し続けている。太平洋戦争で日本に勝利した米軍は、日米同盟の下、日本に駐留してきたが、戦況が変われば、米軍は動く。
そして今、東アジアの戦況は日々刻々と動き始めた。在日米軍は完全撤退も視野に入れ、すでに一部では撤退を開始している。
そうした動きの中で、今、日米同盟は、「同床異夢」---同じ床に寝ながら、異なる夢を見ているのではないか。まるで熟年離婚のような雰囲気になっていると、飯柴氏は指摘するのだ。
***
著者= 飯柴智亮 / 聞き手・小峯隆生
講談社+α新書 / 定価864円(税込み)
◎内容紹介◎
---集団的自衛権問題で、「地球の裏側に自衛隊を送るのか」とか「若者を戦場に送るのか」とか心配するよりも、日本の南西諸島の与那国島のちょいと隣、沖縄のちょいと西の近い所がもう戦場なんですよね?
「はい、その通りです」
---そここそがに日本に復讐してやろうとする中国軍と日本国自衛隊の最前線なのですよね?
「そうです、そこで第一撃を食らいたくない在日米軍は撤退します」
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