コーハマです。
世の中的に凄い職業として語られるものにコンサルタントがある。
「コンサルタントが実践している〜」みたいなタイトルの本が多いことが示すように、実際のコンサルタントがどういう人で普段どんなことを考えているのかに興味のある人は少なくないようである。
そんなコンサルタントの僕が見た一面について書いていきたい。
ちなみに僕はコンサルタントだから凄い!みたいなコンサル礼讃主義者ではないので一応伝えておきます。
地獄のように働く社長
以前、別のエントリー外資系コンサルタントから教わった”営業”の必要性 - リーマンショック世代の思わず抱きしめたくなるブログでも書いたけど、僕はベンチャー企業勤務時代の社長は元々外資系のコンサルタントだった。
当時40歳を過ぎたくらいの彼だが、とにかくこの社長、仕事の鬼で寝る間以外はすべて仕事に没頭しているような人だった。
朝に夜にメールが飛んでくる。(社員からは”空襲”と呼ばれていた)
電話がかかってくる。(”爆撃”と呼ばれていた)
問題が起こっても起こらなくても容赦なく罵声が飛んでくる。
電話口の声にエコーがかかっているなぁ〜と思ったら風呂に入りながら電話を掛けてきていたなんてこともザラにあった。
物事を前に前に前に!
とにかく前に転がす!
いつも実現可能な範囲ギリギリアウトのラインをさらにちょっと超えたぐらいにストレッチさせた目標を各社員に設定させては日々の進捗を胸ぐらを掴んで壁際に追い込まれる勢いで問いつめられる。
ちょっとでもナメた返答すると地獄のような口撃を浴びせられるので24時間気を緩められない。
そんな彼であったが、ある日僕は彼の意外な一面を見た。
社長が密かに歌う理由
ある夜、いつものように24時間戦場にいるような緊張による疲労でヘトヘトになった僕が事務所に入ると鼻歌が聴こえてきた。
「♪こ〜い〜しちゃったんだ♫たぶん♩きづいてな〜でしょ〜♪」
社長だ。
気分が良いのか流行の歌をふんふんと軽やかに歌う社長。
YUIの「CHERRY」という曲だ。
しかし、社長が鼻歌なんて珍しいな…音楽が好きなんて聞いたこと無いし。
恐る恐る中に入ると社長と目が合う。
僕「お疲れさまです。」
社長「おぉ、お疲れ。」
僕「社長、音楽好きだったんですね。最近の曲も聴いてるなんて…」
社長「え、なんで?別に音楽好きじゃねえよ」
僕「え?でもさっきYUIの…」
社長「お前な、わかってない。オレらはいつどこの会社のどんな趣味の人と会うかわかんねえだろ?接待するってなったらカラオケぐらい歌えないとダメだろ?鉄板の歌だけじゃなくて流行の歌も歌えねえと話になんねえの!わかってんの?」
僕「は!失礼しました!」
社長はいつ何時、誰の接待でもできるように好きでもない流行の曲も口ずさみながら夜な夜なパワーポイントで提案資料を作っていたのであった。
ちなみにこの日の社長の睡眠時間は15分。
電車の移動時間だけだった。
ビジネスはいつどの瞬間に始まるかわからない。
だから、どんな状況でも最高のパフォーマンスができるよう常に人の想像が及ばないレベルの自己研鑽を積む。
まるで猪木だ。
ちなみに僕は一度この社長から「お前ぇのジャンケンつまんね〜んだよぉぉぉぉ!!」とジャンケンの仕方が気に入らないと怒鳴られたことがあった。
ビジネスは人とのコミュニケーションがあって初めて成り立つものである。
そのことを常に頭に置きながら考えうる限りの手段を目が開いている時間すべて費やして実践する…それが僕が見た元コンサルタントの姿だった。
これは極端な例かもしれないけど、確かにどんな仕事だろうと顧客志向は切り離せない。
その上でさらに顧客の要求を”超えられる”準備ができているというのが強さの秘訣なのだろう。
な〜んて。
ばいば〜い