中外薬株、一時3年ぶり下落率-ロシュが未保有株の取得見送
8月25日(ブルームバーグ):中外製薬の株価が一時2011年3月以来の日中下落率となった。事情に詳しい関係者1人によると、親会社のがん治療薬最大手、スイスのロシュ・ホールディング は約6割出資する中外製薬 の未保有株取得を見送ることを決め、代わりに米バイオテクノロジー会社インターミューンの買収合意の取りまとめに専念した。
中外薬株 は一時先週末の終値比9.6%安となった。午前9時32分現在、8%下落の3365円で取引されている。
ロシュは24日、インターミューンを約83億ドル(約8650億円)で買収すると発表。同関係者によれば、ロシュはインターミューンとの合意に取り組む一方で、中外薬の未保有株取得も検討していた。協議の非公開を理由に匿名で語った。中外薬の経営陣がこれに反対する姿勢を示唆したため、ロシュは株取得を当面見送ることを決めたという。
ロシュは6月末時点で中外薬の株式を62%保有する。事情に詳しい複数の関係者が今月15日に語ったところによれば、ロシュは未保有株を約100億ドルで取得することで協議していた。中外薬はその後、「ロシュによる完全子会社化についての検討や、ロシュと当社の間でこのような協議が行われているという事実はない」とコメントした。
ロシュが中外薬の未保有株取得について協議しているとブルームバーグが報じた後、中外薬株は過去14年余りで最大の上げを記録した。先週末終値は3660円で、年初来の上昇率は57%。
ロシュはインターミューンを約83億ドルの現金で買収することで合意した。1株当たりの買収金額は74ドル。
ロシュのセブリン・シュバン最高経営責任者(CEO)は24日の電話会見で、中外薬の未保有株取得を今後提案する可能性はあるのかとの質問に対し、コメントを控えた。中外薬の広報担当、原田功貴氏は「当社内でのロシュによる完全子会社化についての検討や、ロシュと当社の間でこのような協議が行われているという事実はない」と25日の電話取材で述べた。
原題:Roche Said to Have Decided Against Bidding for Rest ofChugai(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ミネアポリス Michelle Fay Cortez mcortez@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Mohammed Hadi mhadi1@bloomberg.net宮沢祐介, 岡田雄至
更新日時: 2014/08/25 09:34 JST