広島−阪神 8回表1死満塁、左中間に2点適時二塁打を放つ関本。投手中崎=マツダスタジアムで(持木克友撮影)
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◇阪神8−2広島
阪神が逆転勝ち。1−2の8回に伊藤隼の押し出し四球で追い付き、代打・関本の二塁打で2点を勝ち越し。9回にはマートンの3ランなどで突き放した。広島はヒースが6イニング1失点だったが、中崎ら救援陣が乱れ、2位浮上を逃した。
関本がどうしても負けられない一戦で勝負強さを発揮した。1点を追う8回。1死満塁から伊藤隼が押し出し四球を選び追いつくと、和田監督は続く梅野に「とっておき」の代打を指名した。3ボール1ストライクから中崎の内角直球を左中間に弾ませる2点適時打で勝ち越し。二塁ベース上で7度手をたたき、思いっきり右腕を突き上げた。
「隼太の押し出し四球で気持ちが楽になったよ。カウント有利だったし、外野フライは頭になかった。押し出しでは1点しか入らない。ヒットで2点取りたかった」
4連勝で乗り込んだ広島との上位決戦でまさかの連敗。26日から迎える首位巨人との3連戦を控え、暗雲が漂いかけていた。それでも、プロ18年目の35歳は「2連敗していたけど、いつも負けられへんことには違いないから。毎日、そうやから」と平常心を絶やさず、ここぞの出番で最高の結果を導いた。
19日、2度目のFA権取得条件を満たした。感想は「12年間、1軍にいることに驚きを感じる」。初の1軍昇格を前日に控えた鳴尾浜で「まだ足りない」と、練習後に寮と室内練習場を何度も往復していた13年前が関本の土台だ。
「とっておきがいい仕事をしてくれた。一番いい形でつなげてくれた。さすがだね」。前夜、会見を拒んだ和田監督は最敬礼でベテランをたたえた。首位巨人が敗れ、再び1・5差に接近した。さあ、首位攻防だ。「いい気分でいけると思う」。とっておきの神様が牙を研ぐ。 (吉田風)
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