プレスリリースはタイトルが生命線、心理学的な5つのアプローチ
ちょうど4年前真夏、Q:podを買収して日本市場に参入したGroupon。史上最速で成長するネット企業として大きく報じられ、グルーポンクーロンが雨後の筍が立ち上がり、超盛り上がったのが大分昔のように感じますね。時間の流れが速いのには驚かされます。
ここ最近、史上最速で成長するウェブメディアとして話題のUpworthyは、記事のタイトル案をなんと25通りも考えるそうです。
プレスリリースは昔からタイトルが生命線でした。記者の琴線に触れなければ、メールはクリックされず、FAXはゴミ箱行きです。
プレスリリースで最も重要なのは「誰」であり、「何を起こしたか」であるのは変わることはありませんが、心理学的なアプローチが有効であるのも事実です。そこで、プレスリリースにも活用できそうな方法を厳選して、5つ紹介します。
1. 意外性
『アイデアのちから: 生き残るアイデア、消えるアイデア』 (原題: Made to Stick) の著者チップ・ハース氏とダン・ハース氏は、生き残るアイデアの6原則の1つとして、「意外性」を挙げています。私たちの脳は、目新しいものに強く惹かれます。脳の快楽中枢は、予定調和よりも予測不可能な快楽体験に対して、「スイッチが入る」傾向が高くなります。意外性は刺激的ってわけです。私たちは自分が欲しいと思っているものよりも、無意識のうちに予測不可能なものを好むのかもしれません。
2. 好奇心
カーネギーメロン大学のGeorge Loewenstein教授によると、「人は全く知らないことには興味を持たない。」だとか。好奇心には最初に何らかの知識が必要です。何にも知らないことに好奇心を持つことはありませんが、ほんのわずかでも知ると、好奇心がそそられ、もっと学びたくなることがあります。好奇心は知識と共に増加する、知れば知るほど、さらに知りたくなるのです。好奇心をそそる、不完全な情報をタイトルに利用するという方法が考えられます。読み手に好奇心を起こさせるのに十分、かつ、ストーリー全体をつかむのには不十分な内容を伝えます。
『ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則』 の著者ジョン・ケープルズ氏の代表作コピー「私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。 でも私がピアノを弾き始めると…!(They laughed when I sat down at the piano but I started to play!)」は、好奇心に火をつける名コピーとして有名ですね。
ひとりで立ち上げ半年で3000万PVを達成したViralNovaのScott Delong氏は、この名コピーを額に入れてオフィスに飾っているそうです。
3. 否定
タイトルに、「最高」「最大」「No.1」などの最上級の単語を使うのは効果的でしょうか?実は、最上級の否定 (「最悪」など) が最も効果を高める可能性があります。ネイティブアドのOutbrainは、6万5,000件のタイトル調査で、肯定の最上級あり、否定の最上級あり、最上級なし、のタイトルを比較しました。その結果、否定の最上級(肯定の最上級比163%)>最上級なし(肯定の最上級129%)>肯定の最上級の順でクリックスルー率が高くなりました。
なんと、肯定の最上級は最上級なしより、クリックされなかったのです。考えられる理由はいくつかありますが、肯定の最上級は使われ過ぎ、ありふれたものになってしまったと考えられます。一方で、否定の最上級は、予想外で意外性があるので、人の関心を引き付けたのではと想像しています。
ちょっと脱線しますが、Startup Moonが実施した、テックブログ100選の調査で、「殺す」「恐怖」「戦争」などの攻撃的で暴力的な響き言葉を利用したタイトルが、ソーシャルメディアでの共有を促すことがわかっています。
4. 具体性
『アイデアのちから: 生き残るアイデア、消えるアイデア』 (原題: Made to Stick) の著者チップ・ハース氏とダン・ハース氏は、生き残るアイデアのもう1つの原則として、「具体性」を挙げています。
5. 数字
数字はタイトルに効果的です。数字は先の具体性のひとつというだけにとどまりません。Conductorの調査によると、他のどんな方法より、数字を含んだタイトルを好む読者が多く、
その傾向は男性より女性の方が高いとそうです。