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自動車に商機見出す電機各社
滲み出るサプライヤーの悲哀

週刊ダイヤモンド編集部
【第1030回】 2014年8月25日
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 電機各社の自動車向け事業が、熱を帯びてきた。カメラやレーダーなどを使い、運転の安全性を高める先進運転支援システム(ADAS)や、自律型の自動運転技術の開発で、半導体をはじめとした製品の商機が拡大しているためだ。

米グーグルは5月、カリフォルニア州で自動運転の試験走行を実施。自動車のIT(情報技術)化の進展で、電機各社の商機は広がっている
Photo:AP/アフロ

 経営の構造改革を進めているソニーは、「電子の目」と呼ばれるカメラ用の画像センサーで、車載事業の拡大を狙う。

 暗い場所でも障害物を鮮明に認識できるように、従来に比べ感度を高めた車載用のCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーの開発を進めており、自動車部品としての認証を独自に受けた上で、2015年中に子会社の熊本工場で量産に入りたい考えだ。

 ソニーの画像センサーの売上高は、年間で3200億円。世界シェア(金額ベース)は、30%超でトップを走っており、同社の屋台骨となる製品でもある。

 外販が7割を占め、その多くは米アップルの「iPhone」向けだ。そのため、画像センサーの需要は、当然ながらアップルの採否によって、振れ幅がどうしても大きくなる。

 さらに、スマートフォンは足元で中国メーカーが急速にシェアを拡大するなど、世界中で優勝劣敗の構図が激しく入れ替わる苛烈な市場だ。得意先のアップルと共倒れになるリスクも常にあるわけだ。

 12年に携帯型のカーナビ事業から撤退するなど、車載事業がやや手薄になっていたソニーが、リスク分散に向けて、要の画像センサーでどこまで自動車市場に食い込み、需要を拡大していけるか。大の車好きとして知られる、平井一夫社長の思い入れも強いようだ。

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