初めてお会いした方に自分が何をしているか説明するのが、難しい。
自己紹介の時間が十秒程度しかなければ、「着物の古着屋です」と言う。
でも、もちろん、それでは僕がやっていることを伝えるには全然足りない。
・ネット販売を主としていること
・中古だけでなく、アンティークの扱いにも力をいれていること
・海外向けも力を入れていること
・海外向けのネット販売のアドバイスなどもしていること
・ブログをかなり力を入れて書いていること
時間に余裕があればそういうことをなるべく簡潔に伝えるようにしている。
そこまで説明できてはじめて、僕がやっていることを理解してもらえたかも、と感じることができる。
が、たいてい、そこに到達はできず、相手がよほど僕のことに興味をもって次々とたずねてくれない限り、「古着屋」で話は終わるし、別れたあとで思い出していただけるのは「古着屋だったな・・・洋服かな?着物かな?」程度のことだろう。
たぶん、こういう悩みを持っているのは、僕だけでなく、多くのフリーランスの方やスモールビジネスのオーナーの方々も同じなのではないだろうか。
単一の仕事をやっておられる方も多いだろうが、最近のように変化が激しく様々な新しい仕事が生まれてくる時代には、複数の仕事をしている人も多いはずだ。
その場合、自分のことをなんと説明したらいいのか。
一言で言い表せるような言葉があればベストなのだが・・・
先日も紹介したIan Sandersさんの記事にヒントがあった。「Ditch the job title. Find your unifier‐ Passing the Billy Bragg test.」という記事によれば、彼は自分を紹介するときに、
ビジネス・ストーリーテラー(Business Storyteller)
と言っているそうだ。彼はフィナンシャル・タイムズのライターで、コンサルタントでもあるけれど、自分のやっていることを一言で紹介するときはその肩書きを使っているという。
有名なシンガーソングライターに再会したとき、自分の名前は忘れられていたけど、その肩書きで自分のことを覚えてくれていた体験を記事の中で紹介している。
彼はそういう肩書きのつけ方を、「Unifier」(直訳:単一化子)と名付けているが、それは「複数の仕事をしている人、複数の分野にわたる能力を仕事に活かしている人たちの、実際の仕事の内容を一言で表すもの」と定義している。
Ianさんの例で言えば、「フィナンシャルタイムズのライター」と紹介しても良いが、その時は、財務や経済などに関することを書いている人と間違えられることもある。彼の執筆の主な分野は、ビジネスのあり方やアイディア、そのストーリーが中心で財務的なことは範囲外になるので、その紹介では実態と少し違う。そこでたどり着いたのがこの名前『ビジネス・ストーリーテラー』で、それが彼の仕事の実際をもっともよく表しているのだという。
たしかに、『ビジネス・ストーリーテラー』は良い命名で、彼の仕事が直感的にイメージできる。僕はまだ彼の記事を数記事読んだだけだが、彼が得意とする仕事はよくわかっているような気がしているのだ。
僕の「Unifier」は何とすればいいのだろうか?
いろいろと考えてみるが、最適な言葉の組み合わせがみつからない。
ひょっとすると、それがみつからないことこそが、僕の弱点なのかもしれないが・・・
あなたは今、「Unifier」が必要ですか?
必要だとしたら、どんな名前になりますか?
photo by Luigi Morante