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【スポーツ】

<首都スポ>健大高崎、初の8強 脇本は5打点大暴れ

2014年8月22日 紙面から

山形中央−健大高崎 3回裏健大高崎1死満塁、右翼線に勝ち越しの3点二塁打を放つ脇本。投手佐藤僚、捕手阿部宏=甲子園球場で(岩本旭人撮影)

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◇全国高校野球選手権<第11日>

 機動破壊の主砲が、打って走って8強だ。高崎健康福祉大高崎(群馬)は持ち前の機動力に、長打も絡めて8−3で山形中央(山形)を破って、夏の甲子園で初めての3回戦を突破した。プロ注目の3番、脇本直人右翼手(3年)が2安打5打点1盗塁でチームを引っ張った。健大高崎は関東勢でただ1校、準々決勝に残り、次の相手は大阪桐蔭(大阪)。2012年センバツ準決勝で負けた借りを返す。 

 主砲が8点目のホームを踏むと、健大高崎のベンチはお祭り騒ぎ。機動破壊の11盗塁で10−0で大勝した利府(宮城)戦は打点なしだった脇本が先制、勝ち越し、ダメ押しの5打点。タイムリーの8回は二盗も決めて、長島の左前打で、三塁コーチャーが止めるのを振り切って生還。足で8点目をもぎとった。

 お立ち台では「見えていたけど、いっちゃいました。常に先の塁を狙う。本能で生きてますから」と報道陣を笑わせた。行けたら行けの盗塁と同じく、走れるときには走る。これも機動破壊。チームはこの日、7盗塁にとどまったが、脇本がポイントゲッターになり効果的に得点していった。1回は1死三塁に脇本の遊ゴロで先制。3回は1死満塁で脇本が一掃に右翼線二塁打。チャンスをポイントゲッターが確実に仕留めて、走るだけではない破壊力を見せた。

 試合で結果が出ないと満足するまでバットを振る。深夜1時を回ることもある。苦しいときには、書きためた野球ノートを読み返す。そんな努力の男は、3歳の時に両親が離婚してから祖父母に育てられた。祖母・淑子さん(75)はこの日もアルプス席で応援。「病気のときにくれた手紙、ホームランボールは、みんな箱に入れて取ってあります。その箱も直人が図工で作ったんです」と笑った。甲子園でのホームラン球はまだないが、大舞台で3勝をプレゼントした。

 機動力に長打が絡めば破壊力は倍増する。1イニングに4点をたたき出したのはこの大会で初めて。夏は初めてのベスト8進出も決めた青柳博文監督(42)は「脇本のバッティングが非常に大きかった」とヒーローをたたえた。準々決勝の相手は大阪桐蔭。「前回センバツに出たとき、先輩が負けているので、その分もしっかり勝ちたい。足を絡めて打っていきたい」。高校通算57本塁打の「走る主砲」のバットが、チームをまだ見ぬ頂点へと導いていく。 (小原栄二)

◆個人大会最多盗塁まであと2つ

 健大高崎の脇本が山形中央戦で1盗塁し、今大会の盗塁を6とした。大会記録は京都一商(現西京)の原田が第7回大会で記録した8盗塁。

     ◇

 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中

 

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