9回、本塁打を放つ阪神・マートン=マツダスタジアム(撮影・森田達也)【拡大】
「きのうのきょうやから、かなり気合が入っていた。球場に来るまでにいろんなことに区切りをつけている。集中したときはきょうのような仕事をする選手」と試合後、指揮官は“改心”した助っ人をたたえた。「できれば続けてほしいな…」と、本音を言い添えて。
野球の“原点”も、M砲を奮い立たせたか-。現在、行われている高校野球のフリークだ。過去には甲子園で直接観戦したこともある。今大会は日程上、球場に足を運ぶことは叶わなかったが、戦況は欠かさずチェックしている。お気に入りは「オオサカトーイン(大阪桐蔭)ね。フジナミサンのね。見ているよ」。この日、ひいきのチームは決勝に駒を進めた。目にした高校球児の泥んこユニホームに、気持ちは洗われた。
デーゲームで巨人が中日に敗れたが、阪神も七回までは1得点。負ければ鯉に3連敗で3位転落というムードも漂い始めた八回一死一塁では、関本の勝ち越し打につながる右前打も放った。助っ人の16試合ぶりの12号が決定打となり、チームは連敗を2で止めた。
マートンは「チームとしていいリズムになった。この勝ちを勢いにして、東京ドームで勝負したい」と意気込んだ。首位巨人とは1・5差。いざ、東上!! 初奪首へ、虎は一つになった。 (栃山直樹)