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【プロ野球】

マエケン完封 鎮魂の10勝

2014年8月23日 紙面から

◇広島6−0阪神

広島−阪神 喪章を左袖に付けて力投する広島・前田=マツダスタジアムで(北村雅宏撮影)

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 広島の前田が昨年6月以来の完封で後半戦初勝利を挙げ、5年連続2桁勝利とした。被安打5で12奪三振。1回に先制打を放った松山が3回に2点二塁打を放ち、その後も小刻みに加点した。藤浪が4失点の阪神は連勝が4でストップ。

      ◇

 最後は少しヒヤッとした。関本の中飛を、中堅の丸が、菊池とぶつかりながら、何とかキャッチ。広島・前田の顔に、安堵(あんど)の笑みが広がった。5安打無失点で、今季初の完封勝利。「本当にうれしい。最後までゼロでいこうと決めていました」。8回を終え、自ら続投を志願。139球の熱投を実らせた。

 スイングは空を切り、見逃しては天を仰ぐ打者を、マウンドから見下ろした。前回完封した昨年6月30日の阪神戦(甲子園)からノーワインドアップに変えていたが、この日は大きく振りかぶった。宝刀のスライダー、150キロ前後の直球を低めにズバズバ決めた。ゴメスは4打席4三振。大リーグ5球団の関係者の前で今季初の2桁となる12奪三振。「状態が悪かったので気分転換です」というフォーム修正が奏功した。

 20日未明に広島市内で土砂災害が発生し、甚大な被害をもたらした。それ以降、本拠地で初めての試合。28日のヤクルト戦まで6連戦で使用される全身真っ赤な「赤道直火ユニホーム」に身を包み躍動した。

 災害発生後、自身のブログに被災者からのメッセージがあった。「『カープが勝つのが唯一の楽しみです』と書き込まれていたんです。喜んでもらえるように勝ちたいと思った」。心を奮い立たせた。

 後半戦は5戦目でようやく初勝利で10勝目。球団では川口和久以来となる5年連続2桁勝利を達成した。これで2位・阪神とのゲーム差は1・5。「順位を上げられるよう、残りは全部勝ちたい」。エースが力強く宣言した。 (山本鋼平)

 

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