11勝目を挙げ、ファンの声援に応える楽天・則本=京セラドーム大阪で
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◇楽天2−0オリックス
楽天が連敗を3で止めた。4回に藤田、岡島、ジョーンズの3連続長短打で2点を先制し、則本、ファルケンボーグの継投で逃げ切った。則本は2試合連続の無失点投球で11勝目。オリックスは散発3安打で、西を援護できなかった。
大黒柱が昨季王者の意地を見せた。楽天・則本が8イニング無失点。イヌワシ軍団のエースとしてのプライドを体現した。直球はプロ入り最速の154キロをマーク。最多勝を争うオリックス・西との投げ合いを制し、11勝目を手にした。
「序盤から真っすぐが走っていたので押していった。数字として(球速が)出たことは良かったし、キレもあったのかなと思う」。斎藤(巨人)以来25年ぶりとなるシーズン7完封は次回以降に持ち越しとなったが、「(続投は)なかったです。疲れました」と納得の降板だった。
15日に涙の完封で復権を果たした右腕はこの日も全開だった。勝負どころを逃さない。2点の援護を受けた直後の4回に満塁のピンチを切り抜けると、7回には「1人出すと8回には中軸に回るので、全力で抑えにいった」。3人をピシャリと封じた。
夏の甲子園で快進撃を続ける三重高の中村監督は、三重中京大(現在は閉校)時代の恩師。「一緒にランニングしてくれたり、僕のことを尊重して自由にやらせてもらってました」。体の軸をしっかりつくる。打者に立ち向かう。「今、星野監督に言われていることも、当時から言われていました」と感謝する。
三重高の野球部員は、いうなれば弟弟子。この日の快投も『先輩』としての威厳を十分に見せつけるものだった。「タイトルを狙える位置にいるのなら狙いたい。でも、チームが勝つことが一番大事。僕たちは勝つしかない」。
最下位に沈む中でも全力で白星を追い求める。責務を果たした大黒柱は胸を張った。(井上学)
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