6回裏無死、高橋由が山井(手前)から中越えにソロ本塁打を放つ=東京ドーム
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◇巨人4−1中日
ルナのソロで先制した中日だが、山井がつかまった。1回裏に坂本に逆転2ランを浴び、2回には投手の大竹に適時打された。巨人は6回に高橋由が6号ソロで加点。3安打1失点で今季初完投の大竹は9勝目。巨人は3連勝。中日は5連敗で借金6となった。
◇
天国で見てくれましたか−。巨人・高橋由が豪快なアーチを18日に亡くなった父・重衛(じゅうえい)さんにささげた。先頭で打席に立った6回、山井の直球を強振。大きな弧を描いた打球はバックスクリーンの右に飛び込んだ。勝利を決定づける6号ソロ。ダイヤモンドを回る高橋由の目は最愛の父がいる天へ自然と向いていた。
「手応えがよかったので、いってくれると思いました」と高橋由。お立ち台で涙を見せなかったが、試合中に球団広報に「終わったらいろいろな思いで本塁打を振り返りたい」とのコメントを託した背番号24は「いい供養になった」と感慨を隠そうとしなかった。
小さい時から重衛さんとの二人三脚で技術を磨いてきた。礎は自宅の庭で父親に見守られながら続けた竹バットでの素振りだ。身長より長い竹を下半身主導で振っていく練習。大打者となった今も「僕の基礎はそこです」と言い切る。そんな最愛の父との別れ。寂しさは当然、拭い切れるものではない。
しかし、今はペナントレース中。告別式を終え、試合開始後に球場入りした前日(22日)は延長10回に代打で二塁打。そしてこの日は、スタメンに戻り、チームを勝利に導くアーチを架けた。自然と出たのは父親に授けられたきれいなスイングだった。
「教えてもらったスイングができた」と快打を振り返った高橋由。「どんな報告を?」と尋ねられてこう言った。「元気で頑張りますということですね。1試合でも多く頑張りたい」。天国の父もそんなヨシノブの姿を望んでいるはずだ。 (川越亮太)
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