2003年遠洋航海の中から、8月3日ハワイ島ヒロ出港から8月29日東京帰港、9月2日の下船まで実習の様子についてご紹介します。
□ 8月3日(日)ヒロ出港 8月4日(月)ホノルル入港
8月3日にヒロを出港し、翌8月4日ハワイ日系人連合協会の方々の出迎えを受け、ホノルル港ピア2に入港しました。
□ 8月4日(月)〜8月10日(日) ホノルル停泊
ホノルル港では出港後予定されているブラックダウンに備え、ボースンチェアの取扱い実習を実施しました。実習生はボースンチェアを取り付けているステージロープの操作や補助索としてのザイルを扱う者との連携を念入りに練習しました。
また、甲板部及び機関部整備作業としてハンドキャプスタンの開放整備や燃料噴射弁の整備などを実施しました。
上陸をした実習生はビーチで泳いだり、ショッピングを楽しんだりと実習生は思い思いの休日を過ごしていました。
日本丸エンジニアの呼びかけでダイヤモンドヘッドを登頂した実習生達は、山頂から眺めるホノルルの街や眼下に広がる美しい景色を堪能してきました。
ボースンチェアの説明を受ける実習生
ハンドキャプスタンの開放整備
燃料噴射弁整備実習の様子
ダイヤモンドヘッド登山隊ワイキキをバックに「はい、ポーズ」。
取り外され、デッキ上に降ろされたセール、寂しくなります
ボースンチェアに乗り込み心を込めて‘タール’を塗り込みます
□ アンベンディング、ブラックダウン
8月10日(日)ホノルルを出港してダイヤモンドヘッド沖に向かい反転後、セールを展いてワイキキ沖を帆走しました。
その後3日間の短い帆走の後、全てのセールを取り外すアンベンディング・セールを実施。
セールがなくなり、ロープ類、擦れ当てが取り外されるとマストが枯れ木のように見えて寂しい姿となってしまいました。
8月17日(日)に日付変更線を越え、東経入りした翌日、マストを支えるフォアステイやバックステイなどの静索に‘タール’を塗布するブラックダウン作業を実施しました。
ブラックダウン準備として、デッキ上のいたる所をカバーで覆うとまるで幽霊船のようになってしまいました。
そしてブラックダウン、実習生はホノルルでの練習の成果もあり、ほぼ半日でブラックダウンの主要な作業は終了しました。
実習生にとって最後のマスト作業となったブラックダウン、黒光りするステイを見上げて感慨深げでした。
□ 期末試験、東京安着
8月21日と22日の2日間にわたり、これまでの実習で得た知識を確認するために期末試験を実施しました。
実習生は真剣に机に向かっていました。
8月22日、日本最東端の島、南鳥島に接近し島を約1周しました。
船尾から仕掛を流したところキハダマグロ5本、ツンブリ2本、カツオ1本の釣果がありました。
期末試験が終わり、今遠洋航海も残りわずか。大洋航海から沿岸航海モードに切り換えて総まとめを実施。
有終の美を飾るべく最後の実習に取り組みました。
8月29日東京港有明の専用桟橋に着岸、85日間に及ぶ遠洋航海を終了しました。
そして、9月2日、商船大学航海科83名、商船高専航海科1名が実習を修了して下船、海技大学校航海科15名は次の大成丸へ転船するため下船しました。
日本丸での実習が終わり、1回りも2回りも大きく成長した99名の実習生を日本丸はカウンターヤードで見送りました。
「ごきげんよう!そして、ボンボヤージ!」
沿岸航海技術に磨きをかけます
実習生達をカウンターヤードで見送った日本丸