加山雄三の喜寿お祝いでサプライズ！桑田来た「幸せだなぁ」

　歌手の加山雄三（７７）が２３日、東京・日本武道館でコンサートを行い、同じ神奈川・茅ケ崎市出身のサザンオールスターズ・桑田佳祐（５８）がサプライズ登場した。２０１０年に桑田が食道がんを公表した際には、加山が激励メッセージを送るなど親交は約５０年。２人で「君といつまでも」「夜空の星」を披露した。加山は自身が持つ同所での最年長公演記録を３年ぶりに更新し、９月からの全国ツアー（９月２７日～来年７月２５日、全５２公演）を最後にツアーを卒業すると発表した。

　アンコールにサプライズが待っていた。加山が代表曲「君といつまでも」を歌い始め、間奏に入ると、「船長、加山船長！」と声をかけながら大きな花束を持った桑田がステージに登場した。加山は「ウソだろう！」と驚き、それまで座ってじっくり聴いていた８０００人の観客は総立ち。大歓声で超豪華ゲストを歓迎した。

　茅ケ崎が生んだ２大スーパースターによる夢のような１０分間。桑田は７７歳の喜寿を迎えた先輩の祝福に駆け付け、「セリフ、僕が言ってもいいですか？」とおねだり。再び、「君といつまでも」の間奏が流れ、加山への思いをセリフに込めた。

　「幸せだなぁ。僕は加山さんがいるから、きょうまで頑張ってこられたんだ。あなたは僕にとって、音楽そのものです。あなたは輝く太陽であり、海より大きな存在です。一生、加山さんをお慕い申し上げます」

　驚きを隠せない加山は「想像を絶することになった。俺は本当にラッキーだな。茅ケ崎出身の音楽家で世界に通用するのは桑田佳祐しかいない。死ぬまで応援していくし、何かお役に立てることあったら、使ってくれよ」。偉大な後輩の気遣いがうれしかった。仲良く肩を組んで「夜空の星」を歌い、がっちりと握手を交わした。

　桑田がジャケットを脱ぐと、Ｔシャツの胸には「ＷＥ★若大将」の文字。一方、背中で「サザン新曲『東京ＶＩＣＴＯＲＹ』よろしく」とちゃっかりアピールした。２人の共演は０６年８月の野外フェス「夢人島フェス」（静岡・浜名湖ガーデンパーク）以来、８年ぶり。桑田がほかのアーティストのコンサートにゲスト出演するのは珍しく、０２年８月、ＨＯＵＮＤ　ＤＯＧの東京・ＳＨＩＢＵＹＡ―ＡＸ公演以来、実に１２年ぶりとなる。

　桑田が１０年、食道がんを公表した際、加山は「大丈夫、心配していない。休養は必要だと思うけど」とエールを送った。加山の父・上原謙さん（９１年死去、享年８２歳）と桑田の父が友人だったことから親交は５０年以上。２人で加山が自作した船に乗って、茅ケ崎沖に浮かぶ烏帽子岩まで行ったこともあるそうで、この日も強い絆を感じさせた。