注 目 ドイツ・ブンデスリーガ速報   イングランド・プレミアリーグ速報   オランダ・エールディビジ速報

由伸弾!オヤジ打ったよ!天見上げベース一周

2014年8月24日6時6分  スポーツ報知
  • 6回無死、中越え本塁打を放った高橋由は、天井を見上げながらダイヤモンドを一周した

 ◆巨人4―1中日(23日・東京ドーム)

 高橋由が、亡き父にささげる追悼アーチを放った。6回、父との特訓で培った美しすぎるレベルスイングで、右中間に6号ソロ。リードを3点に広げ、チームを3連勝に導いた。巨人は1点を追う初回1死二塁、坂本が逆転の12号2ラン。投げては大竹が3安打1失点に抑え、移籍後初の完投で9勝目を挙げた。2カード連続での勝ち越しも決め、セ・リーグ60勝一番乗り。2位・阪神とのゲーム差は2・5に広がった。

 弾丸ライナーが、右中間最深部のフェンスを越えた。高橋由はベースランニングの途中、ドームの天井を見上げて大きく息を吐いた。

 「寂しい部分はありますが、いい供養になったかなと思います」。22日に父・重衛さんの告別式に参列後、初スタメン出場。豪快な一発をささげた。

 6回先頭、3ボール1ストライクから山井の外角直球をとらえた。リードを3点に広げる6号ソロ。試合後、重衛さんへの思いを聞かれ「時間がたって(打てて)良かったかなと思います」と振り返った。

 美しいスイングは、重衛さんの指導のたまものだ。少年時代、自宅の庭で2メートル以上ある竹を毎日振った。長い竹は、レベルスイングでないと振ることができない。そこに狙いがあった。練習中に弱音を吐くことは許されない。厳しい指導に素直に従い、自然と体幹も鍛えられた。「基本というか、基礎がそこ(父親との特訓)なのでね」と今でも感謝している。

 高校進学を控えた中学3年時、地元千葉の強豪校をはじめ、誘いが殺到した。父はあえて全国屈指の激戦区、神奈川への進学を勧めた。重衛さんは「寮生活をさせながら息子を自立させたいんです」と当時の桐蔭学園高、土屋恵三郎監督(60)に息子を託した。

 由伸のスイングを一目見た、土屋氏は「直すところがない。天才だ」と驚き、重衛さんが築いたフォームに3年間、一度もメスを入れなかった。

 土屋氏は言う。「お父さんは厳しい方だった。中3の時、お母さんは由伸に親元にいてほしかったみたいだけど、お父さんは『野球だけでなく勉強も両立させたい』と桐蔭に送り込んでくれた。今の由伸があるのはお父さんのおかげです」

 まだ、告別式が終わったばかり。高橋由は「すぐに大丈夫です、切り替えられた、とはいかないけど、いつも通りやっているつもり。(かける言葉は)これからまだまだ元気で頑張ります、というくらいですかね」と決意を胸にプレーする。

 今週、チームは3試合が延長戦。4時間超えも3度あったが、この日は2時間37分で勝利。原監督は「いつもの半分くらいの時間だな。できるんだな」と苦笑いし、由伸の一発を「あの一本は大きかった」と絶賛した。

 「一日も長く、1試合でも多くプレーしたい。(父に)教えてもらった打撃ができた。いい報告ができるように頑張ります」と由伸。天国の父は、拍手を送っているに違いない。(片岡 優帆)

  • 楽天SocialNewsに投稿!
ニュース 順位表スコア速報
報知ブログ(最新更新分)一覧へ