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「事実誤認」「歴史学んで」 アイヌ民族「いない」ツイート 白老でも批判と困惑
(08/24 18:51)
古式舞踊などアイヌ文化の伝承に取り組む白老町のアイヌ民族博物館。象徴空間開設に向けて昨年9月には菅義偉官房長官が訪れ、その後も政府関係者の視察が相次いでいる
【白老】札幌市議で自民党・市民会議所属の金子快之(やすゆき)氏が短文投稿サイト「ツイッター」に「アイヌ民族なんて、いまはもういない」などと書き込んだ問題を受け、アイヌ文化復興の拠点「民族共生の象徴となる空間」(象徴空間)開設を控える白老町の関係者に批判や困惑が広がっている。
金子市議の「いまはもういない」とした発言について、町内在住で苫小牧駒沢大の岡田路明教授(アイヌ文化)は「現実にアイヌ民族として生きている方がいて事実誤認だ。100パーセント純血のアイヌ民族がいないといって存在を否定するなら、和人だっていないことになる」と批判した。
白老アイヌ協会の長谷川邦彦会長も「私たちは長年差別をなくす活動をしてきて、ようやく共生に向けて動きだした。これまでの努力を無にするような発言。もっと歴史を学んでほしい」と不快感をにじませた。
アイヌ民族をめぐっては2008年6月、国会が「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を全会一致で可決。今年6月には政府が2020年に開設する象徴空間の管理運営などに関する基本方針を閣議決定したばかりだ。
戸田安彦町長は「これからという時に、政権与党に所属する議員の発言としては残念だ」と述べ、アイヌ民族博物館の野本正博館長は「私たち(アイヌ民族)はここにいる。この発言で、アイヌ文化や歴史の正しい認識が伝わっていないことがあらためて分かり、象徴空間の意義やその役割が大きいことを思い知った」と語気を強めた。
金子氏が批判しているアイヌ民族対象の住宅資金の貸し付けなどの支援について、岡田教授は「明治政府の同化政策により生活の場が奪われ困窮を余儀なくされたことが原点。現在でも必要な制度だ」と指摘。札幌市の住宅資金貸付制度の返済率が74・8%と低いことには、「制度の運用上の問題であって、それだけで要不要を論じるものではない」と強調した。(能正明)
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