文化財を傷つけないで…。
先日困ったこ事件が起こりました。
当山では『唐門』『観音堂』「舟廊下」の修理に順次入っております。これらの建物は、国宝や重要文化財に指定されている建築物で、以前にもご紹介致しましたとおり柱や壁は黒漆塗りでその上に極彩色で絵が描かれているものです。今回の修理を期に、千社札を剥がし往年の漆の輝きを取り戻そうとしています。現在『舟廊下』千社札の撤去は終わり、観音堂のそれの撤去がまさに始まる時でした。
今回問題にする千社札を貼ろうとする一団が現れました。ちょうど彼らが札をまさに貼ろうとするその時、当山職員が見つけ貼らないように注意をしたところ、逆に居直り、威圧し、挙句の果てに持っていた千社札を貼るために使用する長い棒を振り回して暴れるとう態度で本当に職員一同身の危険すら感じるほどで大変に困ったのです。しかも彼らは千社札をボンドで貼るため、漆が変質し下地まで侵食してその壁や柱がすべて駄目になってしまうのであります。壁一枚・柱一本を新たに漆を塗りなおすだけでも何百万円もかかってしまい、その被害は本当に深刻です。
その彼らの中の一人が、慌てていたのか忘れ物をしていきました。その袋の中にはこれから貼ろうとしていた木札の千社札や紙の千社札、そして科学接着剤(ボンド)、彼らが今回千社札を貼るために企画した旅行の行程表でした。本当に科学接着剤の被害の大きさを理解してほしいものです。重要な文化財を壊していることを理解してほしいものです。この行為は文化財保護法に触れる犯罪です。処罰の対象にもなるのです。どうかこのようなことはやめてください。その行程表に彼らの一団の名前が書かれていました、あえて言います『巴連』さん、もう二度としないでください。