「使い捨てライター」にならないために #ブロフェス2014 - インターネットの備忘録
読んで思った事。
この間、3時間ぐらい同業の人2人と話をした。
2人ともアニメライターなので、まぁ意味がわからん部分が多々あったんだけど、結構面白かったっていうか、根幹の部分は似てるところがあった。
アニメといえば、自分の「好き」が前面に出そうなテーマである。
アニメライターなんてやってるんだからアニメが好きで好きでしょうがないんでしょ、と。
だけど、実はそんなことはあまりなくて、ライターとして食っていくためにたまたま関わったのがアニメで、関わったら面白かった。「アニメの○○が好きです」なんて人は逆にいつの間にかいなくなってることも多いんだそうだ。
そして、ブロガーからライターにシフトチェンジしようと思った時に一番自分が苦労したのもこの部分だった。
ブロガーというのは、基本的に好きなことを基準にテーマを決める。好きだから書くし、嫌いだから書かない(かDISる)昔の自分にとってのそれは非モテ(伊集院光のラジオ的童貞)だった。
でも、自分にとっての「好きなこと」には多くの先輩がいて、童貞の数に対して童貞ライターの数が飽和状態である、ということはわかり切っていた。また、自分が非モテに対しての興味や当事者性を維持し続ける事が難しい(というか、維持してはいけない)こともわかっていた*1。そこでひねり出したのが婚活というテーマだった。
婚活というテーマを男が女性向けメディアに書いていることってそれほど多くはないし、ましてや、実際にサービスを使ったりしていることも多くはない。さらに言えば、ちょっとディープな切り口としては「非モテが婚活してる」みたいな切り口もできるだろう(腐女子が婚活して○○みたいなマンガのパターンです)。
なんて考えだったもので、「婚活」というライターとしてのテーマは完全に逆算で導き出されたもので、好きでもなんでもない(というか、婚活が「好き」という人間はあまりいない。だから、たまに「婚活の楽しさを書いて」みたいな事を言われると困る)し、「評論」がしたいわけでもない。
じゃあ、なんでそんなのを取材してるのかっていうと、婚活をしている人とか、サービスの構造、このサービスはこう進化してるみたいなところに「興味」があってそこをずーっと深堀している。
昔、○○ってサービスがあって、それはひっそりとサービス終了してるんだけど、それを元ネタに今別のサービスができて…みたいな話をいつかまとめたいなと思って。
あと、なんだかんだ言って、やってる人達って切実なんだと思う(かつての俺のように)そういうのを何とか伝えたいと思って、毎回取材している。
で、多分婚活に興味がなくなるか、あるいは年齢的に婚活をテーマに書くことがキツくなってきたら(この可能性は結構ある)、他のテーマを探すつもりなんだけど、アニメライターっていう職業も似たような感じらしい。
ただ、難しいのは、自分が嫌いなことをテーマにしても書いたり、取材したりなんて普通は続けられない。だから最低限興味のあることなんだけど、それが好きすぎてもいけない。
「好き嫌いではなく、興味から対象を深く掘り下げる事ができるかどうか」
案外書くことの強度っていうのはこんなところで決まるもんなのかなと思った。
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*1:ちなみに、その時の俺の判断は今のところ間違ってはないと思っているけれども、そこはまた別の機会に