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2014.08.24

8/24 治安維持法の再来にならないか~ヘイトスピーチ規制法の検討の座長に平沢勝栄氏

外国人の多く住むまちで、暴走する右翼やネット右翼が集合して、外国人排斥デモが頻発して『ヘイトスピーチ」といわれる社会問題になっています。私もそうした状況に心を痛めています。

一方で、民族主義運動が暴走し、ナチスなどファシズムの台頭を招いた経験のある欧州などではナチス禁止法はじめ、人を傷付ける水準までの過度な排外的言論を取り締まる法律があります。日本国内のこうした混乱状況をみて、国外から、ヘイトスピーチを規制せよ、という圧力を受けています。
それに対して安倍首相は突然、前向きな対応を始めています。

右翼からうけるかなり酷い言論に苦しむ外国人を守ろうとヘイトスピーチ反対運動をしている人たちのなかには法や権力で規制せよ、と息巻いている人がいるようですが、私は非常に危険なのではないか、政府が主観的に言論の暴力性を認定したら、規制をかけて刑事犯にすることができるとすれば、かなり危ないのではないかと思っています。

とりわけ今回、自民党で始まった検討会の座長は、思想運動を見張り、ときには取締りをしてきた公安警察の出身の平沢勝栄さんです。通常、こうした人権に関わる法規制を考えるなら弁護士出身や裁判官出身の議員などをあてると思うのですが、取り締まる側が検討の座長におさまる、ということに危惧を持たざるを得ません。

ヘイトスピーチに反対する側が規制を求めたときに、私は違和感を感じていました。どんなに乱暴な言論・表現でも言論・表現活動で対抗しなければならないのではないか、権力に規制してもらうことは危険なことなのではないか、と思っていましたが、正しい思想はどこまでも貫徹されるべきだ、と考える人は、自らの側に権力が動いて相手の自由を奪っても構わないと考えるようです。
最近、関西某市で右翼が公民館を使用してプロパガンダ的イベントをする、というので反対運動の案内がまわってきました。反対運動をされるのは構わないと思いますが、公民館を貸すな、というのは筋違いで、極端な運動に公民館を貸している事例があったとしても、一つ一つ、その事実を確認しながら、自分が政治的主張をするときの自由の場を確認していくことが必要です。

ヘイトスピーチを規制しても構わない、公民館を貸さないということを当たり前とする考え方は、立場や経験や思想によって大きく価値観が変わってくる歴史教育や、政治的価値をめぐる公教育に介入して、権力的規制をかけようという思想に相通じるわけで、そういう運動に依存して首相の座を得た安倍首相の行動様式と全く共通するわけです。

もちろん、ヘイトスピーチのデモが暴走して、デモのなかで人を傷付けたり、ものを壊したりということがあればそれはそれで取り締まればよいことではないかと思っています。言論に対しても、名誉毀損などの刑法犯もあります。

また安倍首相にしても、支えてきた右派的な運動が否定し、自らも葬り去ることに尽力してきた人権擁護法案と何が違うのか、総括が必要ではないかと思います。

自民、ヘイトスピーチ問題でPT設置
2014/8/21 19:19 日本経済新聞

 自民党は21日、人種や民族などの憎しみをあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)への対策を協議するため、政務調査会にプロジェクトチームを設置すると発表した。座長には平沢勝栄衆院議員が就き、月内に初会合を開く予定だ。安倍晋三首相はヘイトスピーチを巡り「日本の誇りを傷つけるもので、対処しなければならない」との認識を示していた。

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