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狂っているのは誰だ

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Bダッシュなしで、本当に『スーパーマリオブラザーズ』はクリア出来るか

 きっかけは確か、とあるフォロワーさんから「私はアクションゲームが苦手なので『スーパーマリオ』でBダッシュを使ったことがないです」と言われたことでした。
 それを聞いた私が「いやいや!マリオシリーズをBダッシュなしでプレイするのは逆に難しいですよ!」という記事を書いたのが2011年。しかし、その記事の反応で「マリオシリーズはBダッシュなしでもクリア出来るようになっているんですよ」と教えてくれた人がいて。

 その後「マリオシリーズはBダッシュなしでもクリア出来るって話だけど、今プレイしている『スーパーマリオワールド』はBダッシュなしだと物理的にクリア不可能じゃない?」とTwitterに書いたところ、他の人から「Bダッシュなしでもクリア出来るのはNewマリオの話であってシリーズ全てを包括した話ではないです」と怒られてしまい、「別に俺が言ったワケでもないのに……(´・ω・`)」とショボーンとして以後この話には触れないようにしてきたのですが。


 果たしてどれが真実なのか、分からないままでした。


 しかし、考えてみたら、ゲーマーだったらゲームを「人から聞いた話」とか「動画で観た話」とかで語るのではなく、実際にプレイして語るべきでしたよね。
 「人から聞いた話」を鵜呑みして、「『スペランカー』って主人公が1撃で死んじゃうクソゲーなんでしょ」と言ったり「マリオがジャンプするのは『パックランド』のパクリ」なんて言ったりして大恥をかくくらいなら、自分でプレイして語ろうじゃないですか!


 ということで、ファミコンの『スーパーマリオブラザーズ』を始めました。
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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>
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 Wii Uのバーチャルコンソールには「ボタン設定」を変えられる機能がありますので……全てのボタンを「Aボタン」設定にしてしまうのです。Aボタンは「ジャンプ」、Bボタンも「ジャンプ」、Yボタンも「ジャンプ」、Xボタンも「ジャンプ」、Lボタンだって「ジャンプ」、Rボタンももちろん「ジャンプ」という、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』仕様にて『スーパーマリオブラザーズ』をプレイしてクリア出来るのか試してみました!


 そしたらビックリ!
 盲点でした!



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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 ファイアーマリオになってもファイアーが撃てないでやんの……




 この記事で明らかにしていきたいのは以下の二点です。

・『スーパーマリオブラザーズ』は、本当にBダッシュなしでクリア出来るのか
・アクションゲームが苦手な人には「Bダッシュなしのプレイ」をオススメすべきか


 なので、「裏技を使えばクリア出来る」とか「バグ技を使えばクリア出来る」といった意見は無視します。アクションゲームが苦手だと言う人に、「Bダッシュが出来ないのなら二段ジャンプを使えばイイじゃない」と勧めることが如何に無意味かというのは説明しなくても分かりますよね?
 そして、もう一つ……「Bダッシュなしのプレイ」をしてみることで、このゲームを作った人達がどういう意図を込めてステージを設計したのかが見えてくるんじゃないかという狙いもあって始めました。そこでスタッフが想定していなかった「裏技」や「バグ技」を使えばという話を考えるとノイズになってしまいますんで、今日の記事では考えないことをご容赦お願いします。

 あ、あと……こういう目的の記事なので、どうしても『スーパーマリオブラザーズ』最終面までのネタバレを含む記事になることも御理解お願いします。

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○ そもそも「Bダッシュ」って何?
 ひょっとしたらこの記事を読んでいる人の中には「Bダッシュ」を知らない人もいるかも知れませんし、「アクションゲームが苦手だからBダッシュは使ったことがない」と仰っている人の中には「Bダッシュにはどういう効果があるのか」を知らない人もいるんじゃないかと思ったので一応説明します。

 「Bダッシュ」とは、『スーパーマリオブラザーズ』において採用された「Bボタンを押しっぱなしにしている間はマリオがダッシュ状態になって速く動けるようになる」操作のことです。
 「マリオシリーズ」においては『スーパーマリオブラザーズ』で初めて採用された操作ですけど、これに関しては前年に稼動開始した『パックランド』の「移動ボタンを連打すると移動速度が上がる」操作の影響があったのだろうと私も思います。まぁ……私はアーケード版の『パックランド』をプレイしたことがないので、深くは語りませんけど。


 重要なのは……マリオの「ジャンプ」が多機能だったのと同様に、マリオの「ダッシュ」も複数の機能を持っているという点です。これは伏線になるので覚えておいて下さい。

1.速く走れる
2.ジャンプ時に「高く」飛べるようになる
3.ジャンプ時に「遠くまで」飛べるようになる
4.1マスの穴なら走り抜けられる




◇ 序盤(ワールド1~3)
 私は物心ついた頃から『スーパーマリオブラザーズ』を遊んできましたから、「『マリオ』と言えばBダッシュ」くらいの意識で常にBボタンを押しっぱなしのプレイをしてきました。だから2011年にあんな記事を書いたくらいですし、今回生まれて初めてBダッシュを使わない『スーパーマリオブラザーズ』をプレイしたくらいなのですが。驚きました。


 Bダッシュを使わないと、すげー操作しやすいんですね。

 これ……後の「マリオシリーズ」だとまたちょっと違うと思うんです。
 この初代『スーパーマリオブラザーズ』って、思ったよりも操作にクセがあって。ダッシュをした後に「滑る」感覚とか、ジャンプ時に空中で動きを制御できる度合いが「弱い」とか、『スーパーマリオワールド』辺りと比べると不自由な動きをするんです。Bダッシュに「リスク」があるというか。速く動ける分、制御しづらくなるんです。

 だから、狭い足場をジャンプで乗り継いで進む場面なんかは「Bダッシュなし」の方がヒョイヒョイ進めるんです。



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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 「Bダッシュあり」のプレイでは突破できなかった2-4も楽に突破してしまいました。
 冒頭で紹介した「私はアクションゲームが苦手なので『スーパーマリオ』でBダッシュを使ったことがないです」というフォロワーさんの話も、実際にプレイしてみると「なるほど」と思えるものでした。少なくとも初代『スーパーマリオブラザーズ』は、「Bダッシュなし」のプレイに一理ありました。



 実際に「Bダッシュなし」でプレイしてみるまで気付きもしなかったんですけど、『スーパーマリオブラザーズ』の序盤ステージって基本的には「Bダッシュを使わない」ことを前提に設計してあるのです。

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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 例えばこの画像。
 Bダッシュなしの普通のジャンプでも、左の土管から上のブロックまではちゃんと昇れる高さに設置されているのです。ブロックの位置、土管の高さ、敵のスピード、残り時間……ゲームの序盤は「Bダッシュなし」のプレイでも全く問題ありませんでした。


 よくよく考えてみたら当然の話なんですけど……
 今では「マリオシリーズと言えばBダッシュ」というくらいに定着していて、自分のように最初から最後までずーっとBボタンを押しっぱなしで遊んでいる人も少なくないと思うのですが。『スーパーマリオブラザーズ』が発売されるまでは「Bダッシュをしたことがある人」はいなかったワケです。

 もちろん『パックランド』のようにダッシュのようなことが出来るアクションゲームは存在していましたが、5歳から95歳までがお客様という考えの任天堂は「このゲームを遊ぶ人は、みんな『パックランド』を遊んでダッシュジャンプの操作に慣れているはずだ!」というゲームは作らないんですね。
 「このゲームを遊ぶ人は、みんな初めて“ダッシュ”というものを目の当たりにするのだ」と考えて、「ダッシュを使わない人」を想定してステージを設計していたのです。



 3年前の記事では「Bダッシュを使わないのは“縛りプレイ”みたいなものだ」と書きましたが、Bダッシュなしの方が操作しやすいですし、むしろ「初心者はBダッシュを使わないでプレイした方がイイ」と断言できます。3年前と180度違う意見になってしまいますが、実際にプレイしてみたらそうだったんだからしょうがないじゃないですか。




 ただ、ここからが『スーパーマリオブラザーズ』の本当に凄いところです。
 「Bダッシュなしの方が操作しやすい」「Bダッシュなしでも遊べるようにステージは設計されている」―――確かにそうなのですが、それだけだと誰もBダッシュなんて使わなくなっちゃいますよね。なので、基本的には「Bダッシュなしでも遊べる」ようになっているのですが、「Bダッシュを使うとちょっと有利になる」設計もされているのです。


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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 これは序盤の1-2の画像です。
 ここから上の段に昇るには、「普通のジャンプではギリギリ届かない」けど「Bダッシュジャンプならば昇れる」高さに設定されているのです。
 普通のジャンプしか出来ない人は下のルートを通ればイイだけで、もちろんクリアも可能なのですが……下のルートは土管などが並び立って敵も現れます。しかし、Bダッシュジャンプが出来る人しか通れない上のルートならば、敵のいない道を一気に走り抜けることが可能なのです。

 マリオの「ダッシュ」には複数の機能が持たされているという伏線を張っておきましたが、これは「ジャンプ時に「高く」飛べるようになる」を使って「Bダッシュが出来るとこんな得があるんだよ」とプレイヤーに教えてくれているんですね。



 また、先ほども貼り付けたクッパ戦の画像。

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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 ファイアーマリオになっていればファイアーを数発ぶつけることでクッパを倒せますし、スーパーマリオの状態ならダメージ覚悟で突っ込んで走り抜けて斧までたどり着くという手もあります。
 しかし、チビマリオでクッパを倒すには、クッパに接触せずにクッパを通り抜けて後ろの斧までたどり着かなくはなりません。取れるルートは二つ。「クッパがジャンプしている間に下を通る」か、「クッパの頭上をジャンプで飛び越える」か、です。

 どちらのルートでも、「Bダッシュ」を使った方が楽に突破出来ますね。
 マリオのジャンプの多機能性の内、下のルートは「速く走れる」機能が活きますし、上のルートは「ジャンプ時に「高く」飛べるようになる」機能が活きます。

 「Bダッシュ」が絶対必要というワケではありませんし、慣れてくれば「Bダッシュ」なしでも突破できますが……クッパ戦ばかりは「初心者でもBダッシュを使った方が楽」じゃないかなぁと私は思います。



 そして、最後。
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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 Bダッシュなしだと、旗に届かないんですよね(笑)。
 マリオのジャンプの多機能性の内、「ジャンプ時に「遠くまで」飛べるようになる」機能。

 しかし、これ……すげーよく考えてあると思います。
 『スーパーマリオブラザーズ』で神がかっているステージ設計と言えば、「1-1の最初のクリボー」とか「最初のキノコは自分に向かってくる」とかが有名ですけど。私は今回、このゴールポールの「階段」「階段上部の助走スペース」「階段から旗までの距離」「一度落ちるともう昇れない設計」なんかも神がかっていると実感しました。

 階段上部のスペースからBダッシュジャンプで旗に向かって飛ぶと、5000点とか2000点とかがもらえるんです。しかし、Bダッシュジャンプが出来ない人は、下から普通のジャンプでポールに飛んで400点とか100点とかしかもらえません。
 たかが点数の話です。このゲームでは点数が高いからと言って何かの特典があるワケでもないんですけど……もらえる点数が一桁違うというのは、なんだか悔しい気持ちになりますよね。

 このゴールポールはクッパ城を除く全てのステージに共通するゴールです。
 また、一部の例外を除けば、一度落ちてしまうと階段を昇り直すことは出来ません。しかし、Bダッシュジャンプに失敗して落っこちてしまったとしても、そこに敵がいたり、穴が開いていたりするワケではありませんから、プレイヤーにとってのリスクはありません。

 つまり、このゴールポールは「Bダッシュジャンプの練習場」であって、各ステージの最後に「Bダッシュジャンプの練習場」が設置されているとも言えるのです。



 このゲームの序盤は、基本的には「Bダッシュを使わない人」を想定してステージが設計されています。しかし、ところどころに「Bダッシュを使うとちょっと有利になる」場面があり、各ステージのラストには「Bダッシュジャンプの練習場」が用意されている―――これが『スーパーマリオブラザーズ』の序盤なんです。

 誰も「Bダッシュ」なんてものをしたことがなかった第1作目だからこそ、「そういう人がBダッシュを使えるように」と設計されているのが『スーパーマリオブラザーズ』の序盤だったのです。


◇ 中盤(ワールド4~7)
 「Bダッシュあり」で普通にプレイした時には2-4で撃沈してしまった私ですが、「Bダッシュなし」でプレイしたらあっさり2-4を突破できました。イェーイ!このまま最後まで突っ切るぜー!と、この後の展開を何も知らない私は考えていたのですが。


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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 あ………。
 悟りました。これでも「Bダッシュなし」のプレイで中盤まで進んだくらいですから、「Bダッシュなし」のジャンプでどのくらいの高さまで飛べるのか、肌感覚で分かってくるものです。そんな私が「これは届かない」と悟ったのです。この旅はここで終わりだ、と。



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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 一応飛んでみましたけど(笑)。


 最初は「自分の操作が下手だから」かと思いました。
 次に「ステージ設計のミス」かと思いました。

 しかし、ここだけBダッシュ解禁して突破してみたところ……恐らく「わざと」だろうなと確信しました。

 これまでは「Bダッシュなし」でもクリアは問題なく出来て、「Bダッシュを使うとちょっと有利になる」ところが幾つかある程度だったのですが。4-3で初めて「Bダッシュを使わないと絶対にクリア不可能」なポイントがあり。これ以降は、「Bダッシュが使えないと不利になる」ところが出てくるのです。



 例えば、ここ。
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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 せっかく出した「豆の木」も、Bダッシュジャンプを使えないと昇れない高さに設置されているんです。



 面白いのはここ。
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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 上のルートを通れば何の問題もないのですが……
 何も知らずに下のルートを進んじゃうと。

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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 Bダッシュジャンプなしじゃ、届かないでやんの!!



 こんなカンジに、『スーパーマリオブラザーズ』中盤は「Bダッシュなしでも一応はクリアできる」けど「Bダッシュがないとところどころで困る」場所が目立つようになってくるのです。そのために、序盤から「Bダッシュジャンプの練習場」を用意していたのだし、あそこでプレイヤーがBダッシュに慣れていないとキツくなってくるという。


 あ、一応。
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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 4-3は「Bダッシュジャンプ」がないとクリア出来ませんが、ワープ土管を使って「4-2 → 5-1」にワープするということも出来ます。出来ますが、4-3程度の「Bダッシュジャンプ」が出来ないと終盤は厳しいので、4-3で「Bダッシュジャンプ」が出来るようにしておくというのも大事だと思いますね。


◇ 終盤(ワールド8)
 さて、ワールド8です。
 ワールド8というのは、『スーパーマリオブラザーズ』において絶対にクリアしなければならない4ステージです。ワープ土管を使って最短ルートを進んでも「1-1 → 1-2 → 4-1 → 4-2 → 8-1 → 8-2 → 8-3 → 8-4」とクリアしなければなりませんからね。

 しかし、この「ワープ土管」って子どもの頃は「これだけはみんなが場所を知っていた」くらい口コミで広がって有名だったんですけど、上手くもなっていないのに「ワープ土管」で8-1まで来ても叩きのめされるようになっていたんですね。



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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 8-1から、いきなり「Bダッシュジャンプ」必須ですよ!
 6-2の時は上のルートがありましたが、今回は下のルートのみ。「Bダッシュジャンプが出来ないヤツは帰れ!」と言わんばかりのワールドとなっております。



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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 逆にここは「Bダッシュ」使わない方が楽に進めるんですね。
 子どもの頃の私は、常にBボタンを押しっぱなしでプレイしていましたから。ここと、あと4-2の最初のところがすごく苦手だったんですけど……何のことはない。Bボタンを押さずに慎重に着地すれば余裕で突破できるんです。



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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 8-2でも「Bダッシュジャンプ」必須ポイントが。
 地味にここは、マリオのジャンプの多機能性の内「1マスの穴なら走り抜けられる」を使っているという。土管の上から走り抜けつつ、ギリギリのところでジャンプ!『スーパーマリオブラザーズ』の難所の一つですね。



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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 難所と言えば、ここも。
 8-3と8-4に生息する「平地にいるハンマーブロス」です。これまでは「上の段に昇ったら下から叩く」のが攻略法だったのに、平地にいることでどうやって倒すんだこれ!とプレイヤーを絶望させました。

 しかし、こいつは「Bダッシュ」必須ではないんですね。
 「Bダッシュ」があった方が楽に突破できますが、なくても何とかなります。


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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 まずはハンマーブロスの懐に入りこみます。


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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 次に、ヤツがジャンプするのを待ちます。
 「Bダッシュ」が使える人はここで下を走り抜けるのが良いですが、理由があって「Bダッシュ」を使えないという人はハンマーブロスの落下中に飛び越すイメージでジャンプすればハンマーに当たらずに飛び越せます。


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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>


 ん………?



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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>


 どっちにしろ「Bダッシュ」がないとダメじゃないか!(笑)







 ということで……
 初代『スーパーマリオブラザーズ』において、Bダッシュが絶対に必要な箇所は「4-3」「8-1」「8-2」「8-4」の4箇所であり、「Bダッシュなしでもクリア出来る」ことはないことが分かりました。
 またこの4箇所も「4-3」と「8-1」はただダッシュジャンプすれば良いだけですが、「8-2」は土管の上から穴を抜けてダッシュジャンプをしなければなりませんし、「8-4」はハンマーブロスを抜けた直後にダッシュジャンプをしなければならないといったカンジで……「Bダッシュジャンプ」の難易度も徐々に上がっていることが分かると思います。


 まとめてみると……
 「序盤」は「Bダッシュがなくてもクリアが可能」なのだけど、「Bダッシュが出来るとちょっと有利」な箇所があり。「Bダッシュジャンプの練習場」が各ステージのラストにあるので、そこでBダッシュジャンプの習得を促し。
 「中盤」は「Bダッシュがなければ絶対にクリア不可能」な場所が1つだけあり(ワープ土管で飛ばすことは可能)、ところどころで「Bダッシュが出来ないと不利」な箇所が出てきて。
 「終盤」は「Bダッシュが絶対必須」―――というバランスになっていると言えますね。


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○ 総括
 今回『スーパーマリオブラザーズ』を初めて「Bダッシュなし」でプレイしてみて思ったことなんですが、結果だけ見て「『スーパーマリオブラザーズ』はBダッシュなしではクリアできないんだ」「任天堂はアクションゲームが苦手な人を切り捨てているんだ」みたいに言うのは“表面的な批判”だと思うんですね。

 このゲームは明らかに「Bダッシュが出来ない人」に向けて作られていますもの。
 そして、そんな人に「Bダッシュ」を習得させて「私は上手くなった!」と思わせるためのステージ設計になっていたのです。


 『スーパーマリオブラザーズ』は「アクションゲームが苦手な人のためにBダッシュを使わなくてもクリア出来るようになっている」でも、「Bダッシュを使える人でなければ遊べない」でもなかったのです。その二択はどちらも間違っていました。「アクションゲームが苦手な人のために、Bダッシュを使わなくても序盤は問題なく進めるのだけど、徐々にBダッシュを覚えさせて習得させるように計算されていたゲーム」だったのです。

 なので、後のシリーズもコレに当てはまるワケではないんですね。多分。
 『スーパーマリオブラザーズ』は初めて「Bダッシュ」を採用したマリオシリーズのゲームなので、「Bダッシュを使ったことがない人」に向けて作られていますが。
 例えば、続編にあたる『スーパーマリオブラザーズ2』や『スーパーマリオワールド』だったら前作を既に遊んだ人を対象に作るので、「Bダッシュが使えること前提のステージ設計」になっているかも知れませんし。
 逆に、しばらくシリーズが出なかった時期をはさんで「誰もが楽しめる『スーパーマリオ』を」というコンセプトで作られた『Newスーパーマリオブラザーズ』ならば、「最後までBダッシュなしでもクリア出来るステージ設計」になっていてもおかしくないと思います。

 この辺は、機会があったらシリーズの他の作品も「Bダッシュなし」でプレイしてみて感想を書いた方がイイかも知れませんが、後のシリーズはステージ数が多いのであんまりチャレンジしたくはありません(笑)。『スーパーマリオブラザーズ2』なんて、普通にだってクリア出来ないっての。




 そう考えると『スーパーマリオブラザーズ』ってステージ数にしろ難易度にしろ本当にちょうどよく作られていて、ファミコン版をプレイするのは久しぶりだったのだけど無茶苦茶楽しかったです。
 3DSやWii Uのバーチャルコンソールならば「まるごとバックアップ」があるのだから、昔はクリア出来なかったという人も大人になって再チャレンジしてみるのも色んな発見があると思いますよ。オススメ!


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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 「平地にいるハンマーブロス」すら軽く突破できるようになった今の私には、クッパの動きなどスローモーションに見えるぜ!!
 


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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 ということで、全面クリアです!



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<写真は『スーパーマリオブラザーズ』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 ………
 ………あ、

THANK YOU MARIO!

YOUR QUEST IS OVER.
WE PRESENT YOU A NEW QUEST.

PUSH BUTTON B
TO SELECT A WORLD



「ありがとうマリオ!
あなたの冒険は終わったわ。
私達はあなたに新たな冒険をプレゼントします。
ワールドを選ぶために、Bボタンを押してね」



 ………
 ………

 「ボタン設定」で全部Aボタンに変えているから、Bボタンを押して裏面に入れない!

| ゲーム雑記 | 17:48 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

平地にいるハンマーブロスは頭を踏んで倒します。

| ああああ | 2014/08/21 22:32 | URL |

お見事

 Bダッシュ抜きじゃ進めない、本当に必要な場所だけ操作をいちいち変更して、それでもわざわざ最後まで行ってみたんですね(笑)

 てかファイアマリオでファイアーを出せないって、それ二重の縛りプレイなのでは……。密かにそっちも結構ハードそうなのですけど。

| kanata | 2014/08/21 23:22 | URL | ≫ EDIT

>kanataさん

>本当に必要な場所だけ操作をいちいち変更して、

 実はWii Uの「ボタン設定」はコントローラごとに設定できるので、途中から「クラコンは全てジャンプボタン」「ゲームパッドはYボタンだけダッシュ」という設定にして、どうしても必要なとこだけゲームパッドに持ち変えるという戦法を使いました。


>ファイアマリオでファイアーを出せないって、

 後半は常にチビマリオだったので、そんなに気になりませんでしたw しかし、言われてみればファイアーあればハンマーブロスも怖くないですもんねぇ。

| やまなし(管理人) | 2014/08/22 00:50 | URL | ≫ EDIT

わたしはむしろ最初から「上手くなって覚えてきたらダッシュで時間短縮しよう」くらいな気持ちでした。
それでもファミコン時代は解けずに、始めて解いたアクションゲームがメガドラの大魔界村になってしまうのですがw

| 児斗玉文章 | 2014/08/22 18:04 | URL |















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