テーパーシャンク

 

私のフライス盤、旋盤の主軸およびテールストック(押しコップ)にはモールステーパーが設けられています。このテーパーは傾斜角1°程度の緩いもので、サイズのあったテーパーのオスメスを合わせると、がっちり食いつき動かなくなります。これは国際的な規格で、寸法は工業規格で決められています。

MT-2のシャンクを製作する必要が出てきました。テーパーは複式刃物台の角度切削機能を用いて作ろうと思いますが、全長約70mmのMT−2シャンクを連続して切削するためには、刃物台の移動量が足りません(私の旋盤の複式刃物台の移動量は約55mm)。送りネジの長さはなんとか足りそうなので、刃物台を延長する部品の製作から作業は始まりました。

鋳物材からコの字型の部品を切り出し、刃物台と送りハンドルの間に挿入します。

長引く風邪で、朦朧とする日々が続いていました。こういうときは、頭を使う仕事はするべきじゃありませんね。位置を間違えて余計なネジ穴があいています。

矢印の部分が移動量拡大のための部品です。

テーパーを作るためには、規格から寸法を拾う方法と、既存のテーパーの複製を作る方法の二つが考えられます。規格から寸法を拾うのは、少々難易度が高いと思われます。なぜならば、正確な基準を設けなければならないからです。今回は既存のMT-2シャンクから採寸して、複製を製作することにします。この方法は子、孫と世代を重ねるにつれ、徐々に精度が悪くなる恐れがありますが、まあ孫を作ることはないでしょう…

MT-2のシャンクは工作機械に付属してきたものや、後から購入したものなど、いくつかもっていますが、そのなかでも特に精度のよさそうなものを選別しました。これを旋盤にセンター保持し、刃物台に装着したダイヤルゲージを見本の全長に渡って走らせて、針の振れがなくなるように刃物台の角度調整をしてみました。ここで重要なのは、複式刃物台のアリ調整です。これがしっかりできていないと、針の振れがなくなりません。しっかりアリ調整をすると、必然的に送りハンドルが重くなります。何回も往復を繰り返したので、手首が痛くなりました。作業時間の大半は、この調整に費やしました。

 

シャンクの材料は高張力鋼S45Cです。

 

材料をセットしたら、後は削るだけです。なんともあっけない作業。

 

 

光明丹をつけて、オスメスのはめ合いを確認してみました。光明丹の使い方がこれでいいのかいまいち分かりませんが…

 

軽く砥石をあてて、バイトによる微小凹凸を取り除きました。

 

さしあたり必要なのはひとつだけなのですが、刃物台の角度調整に思いのほか時間がかかったので、予備をもう一本作っておきました。追加工の際は、画像左のMT-2/3ソケットを用いて旋盤主軸にセットします。

 

(2011.11)

 

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