辺野古移設:大規模な反対集会 米軍基地前に3600人
毎日新聞 2014年08月23日 19時10分(最終更新 08月23日 19時18分)
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設に向け、政府が埋め立て海域のボーリング調査を始めた名護市辺野古で23日、反対派の大規模な集会があった。辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前には県内各地から約3600人(主催者発表)が詰めかけ、「美(ちゅ)ら海を守ろう」などとシュプレヒコールを上げた。
集会では県選出の野党国会議員らと共に、沖縄のホテル大手「かりゆしグループ」の平良朝敬(たいら・ちょうけい)・最高経営責任者もマイクを握り「観光は平和産業で基地と両立しない。基地は経済発展の阻害要因だ」と訴えた。
稲嶺進・名護市長は「ジュゴンがすむ海を守ろう」と述べ、昨年末に政府の埋め立て申請を承認した仲井真弘多(ひろかず)知事を批判すると、ひときわ大きな拍手と指笛がわき起こった。
強い日差しの下、フェンス前での抗議は約1時間続いた。那覇市から職場の同僚と駆け付けた保育士の六笠絵美さん(26)は「未来の子どもたちに平和な社会を残したい」。うるま市の主婦、東江(あがりえ)勝子さん(70)は「基地が必要というなら本土が引き取ったらいいさ」とそれぞれ真剣な表情で訴えた。
基地のフェンス沿いを走る国道の歩道は、大型バス35台や自家用車で駆け付けた市民で両側とも埋め尽くされ、「埋立阻止」などと書かれたプラカードを掲げる人垣が約1キロ続いた。国道を走る車からドライバーが手を振ったり、クラクションを鳴らしたりして激励する場面もあった。【比嘉洋、佐藤敬一】