「うつろひ」などの抽象彫刻で知られる彫刻家の宮脇愛子(みやわき・あいこ、本名磯崎愛子〈いそざき・あいこ〉)さんが20日午後4時17分、膵臓(すいぞう)がんのため横浜市内の病院で死去した。84歳だった。葬儀は近親者のみで営んだ。11月上旬に、しのぶ会を開く予定。喪主は夫の建築家・磯崎新さん。連絡先は神奈川県横須賀市平作7の12の13のカスヤの森現代美術館。

 1929年生まれ。日本女子大文学部卒業後、阿部展也、斎藤義重から絵画を学んだ。絵画の発表の後、60年代半ばから、真ちゅうパイプやガラスなどを使った抽象彫刻を手掛けた。

 80年代に入り、ステンレスのワイヤで複数の円弧を作る「うつろひ」シリーズを次々発表。透明感と軽みのある作風で、バルセロナの五輪広場など世界各地に設置されている。

 67年のニューヨークのグッゲンハイム国際彫刻展買い上げ賞など受賞多数。マン・レイら海外の美術家たちとも親交が深かった。

 97年に脳出血で倒れた後も、左半身にマヒの残る体で制作を続けた。