【ワシントン=共同】米国防総省のカービー報道官は22日の記者会見で、中国軍の戦闘機が19日、南シナ海上空の国際空域で米軍の対潜哨戒機P8に「30フィート(約9メートル)以内」の距離まで異常接近したと公表した。
ローズ米大統領副補佐官は22日記者会見し、中国機による異常接近を「明らかな挑発行為」と批判し、中国政府に直接、抗議したことを明らかにした。
カービー氏によると、異常接近は19日、中国の海南島から約135マイル(約217キロ)東の空域で発生。通常の任務で飛行していたP8に中国機が挑発的な接近飛行を繰り返したという。
過去には2001年4月、米海軍の電子偵察機と中国戦闘機が南シナ海上空で接触、中国機が墜落し、米機が海南島に緊急着陸する事故が起き、米中関係が緊張したことがある。
中国は昨年11月、東シナ海上空に防空識別圏を設定。米軍は同年12月にP8を嘉手納基地(沖縄県)に配備した。今年5月と6月には、東シナ海の公海上空で中国軍のSU27戦闘機による自衛隊機への異常接近が相次ぎ、日本政府が中国側に厳重に抗議した。
中国戦闘機、異常接近