先日、ボストン・コンサルティング・グループが世界で最も輸出額の大きい25か国の製造業コスト競争力に関するレポートを出しました。

そこでは大変興味深い発見がありました。

普通、製造業のコスト競争力と聞くと「ああ、先進国は高くて、新興国が安いのだろう?」という答えが返ってきます。

しかし同レポートによると新興国における賃金の上昇、新興国の通貨が強くなったことなどの原因で新興国の製造業コスト競争力が大幅に減退したと指摘されています。

特にコスト・プレッシャーに晒されている国としてボストン・コンサルティング・グループは次の新興国を挙げています:

ブラジル
中国
チェコ
ポーランド
ロシア


次に先進国の中で労働生産性の低さやエネルギー・コストの上昇が原因で競争力の低下を見ている国として、次の各国が挙げられました:

オーストラリア
ベルギー
フランス
イタリア
スウェーデン
スイス


ちゃんと競争力を維持できている国は:

インド
インドネシア
オランダ
英国


です。


また競争力が増した国としては:

メキシコ
米国


が挙げられています。

米国を100とした場合の各国の競争力は下のグラフの通りです。数値が大きいほど「競争力が無い」と言う風に読みます。

1

過去10年でドイツのコストは117から121へ上昇しました。日本のコストは107から111へ上昇しました。

中国とロシアに関しては賃金の上昇が競争力減退のひとつの理由です。

2