フィルム

編集

フィルムのサイズ

フィルム横の穴は、フィルムを
動かす(送る)為のものでパーフォレーション
言います。以下の画像でと記されてるものが
1コマに対する数でフィルムの呼び名でもあります。
*サイズなどは下記参照

*下の画像は東京現像所がフィルムの事を
知ってもらう為に作成配っているフォーマットです。
本来関係者などに配られてるモノは風景画ですが
写真の為
*Qちゃんが遊び画像を重ねたものです。(^^;

画像(写真)の著作
著作権は、撮影者にありプロ・素人が撮影した
スナップ・商品写真であれ、撮影者が著作権を所有してます。
全ての写真は著作物であり、またカタログ写真、商品写真などを含む
全ての商業写真も著作物として著作権によって保護されています。
無断使用やコピーは、著作権法違反で罰則があります

16mm (9×7mm)
ウルトラで使用していたメインのサイズで
一般的な16mmと言うとこのサイズを指します。
ウルトラシリーズは35mmで撮影した画像も
16mmに落として完成・納品していました。
パーフォレーションも右・左、両方と3種あります。

この時代は刑事・学園ほとんどのTVドラマは
16mmフィルムで撮影されています。
この下に8mmと言うのもありますが、これはほとんど
ネガが無いのでアマチュア用で幅も16の半分です、まれに
車窓や動きのあるロケハンなどで使用されるくらいです。

スーパー16 (1.2×7mm)
アトーン社スーパー16キャメラ A-Minima 専用の
カラーネガフィルムの事
コダック社の共同開発世界最小のHDカメラで
最近のモノなのでウルトラのフィルム時代にはありません。

35mm・4P (21×15mm)
このサイズがウルトラQやその後の合成部分で
使用された、映画用の幅であり一般の
スチール撮影で使用されているフィルムです。
別名ライカサイズとも言います。

35mm・8P (3.7×2.4mm)
ビスタフレックスのサイズで、上の基本の35mmとはフィルムを
立て横を逆に使用します。
3D立体映像などにも使用されビスタフレックス3
開発が現在進行していますが、ウルトラのフィルム時代には
関係無いモノです。

70mm・5P (48×22mm)
4つの形式がある70mmの中で
最初に登場したもので、通称70mmスタンダードと言われます。
70mmサイズはウルトラF時代には無かったモノです。

70mm 8P (52×37mm)
通称ジャパックス・システムと言い1985年に発表されました。
電通 、東宝映像、セイキ、東洋現像所、ウシオユーテック
の共同開発で、特殊撮影・実写合成・CGには便利だそうですが
まだ、ほとんど日本独自のモノと言えます。
6チャンネルの音響も再現可能です。

70mm 10P (70×69mm)
上と同じく「科学万博つくば85」で登場し
バース・マイ・ビョンと呼ばれる正方形の特殊なサイズです。

70mm 15P (71×52mm)
アイマックスと呼ばれるこのサイズは
70mmSTの3倍のきめの細かいとてもリアルな映像を再現できる。
現在は品川のアイマックスシアターなどで
縦16m×横22mのビル5〜6階のサイズと同じ超巨大スクリーン
に投影される。
70年の大阪万博で登場したのですが、あまりに巨大な設備で
ないと実力を生かせない事から、最近までほとんど表に出なかった
モノですが、立体映像などでテーマパークなどから使用されはじめ
3Dのこのサイズの迫力に6チャンネル・デジタルサウンドシステムで
メルシャン品川アイマックスシアターで、常に見る事が可能になりました。

ロケハンでカメラテストなどを合わせてやる時は
すぐ見れてネガは要らないのでリバーサルフィルムを使います。

フィルムの幅

    35mmカン

厳密にはフィルムの幅と各サイズ横のmmが
違うと思うかもしれませんが?
フィルムと言うのはパーフォレーションや
音声トラックの部分も含めた幅の事で
画面の焼きこまれる幅の事ではありません。
その小ささに驚かれるかもしれませんが
16mmの9×7mm内で、大阪城がゴモラ
壊されホーク1号が飛んで、ツインテール・グドン
戦い、ゴルゴダの丘に4兄弟が十字架にかけられていた訳です。
35mmの21×15mmに、ポインターが複数焼かれ
バルタンが分離し、ストリュウム光線が焼きこまれた訳です。
たった9×7mmの空間に、沢山のこども達が夢見てドキドキし
感動し笑った魔法の2次元が光跡そのものの正体ですが
科学で解明できない沢山の人の想いが
必ず焼きこまれるのも確かです。

初号試写

ウルトラマンシリーズは完成が16mmなのもあって
旧社屋(砧)内で映写しチェックされました。
*私が愛したウルトラセブンのような映写室ではありません(^^;

1〜2期で円谷プロ旧社屋で使用していた映写機。

感度(ISO・ASA)と光源 

太陽や照明(外・屋内)だけでなく光の量や
スペクトラムにより感光が設計されたフィルムの
知識も大切で外で攻撃した俳優さんのフィルムと
セットでの特撮を合成する時の
光量などにも出来が関わります。
大方スタジオセット(
特撮)は単体撮影よりも強い光を必要とするのも
この同調の為で
着ぐるみ役者さんの熱さは倍増する事になります。

ASAISOは、同じと思ってかまいません。
フィルムを買う時に、ISO100とか400と箱などに書いてある
のを見た事があると思います。
今では、100が普通の外ではSTで400が室内や夜間的に使用され
る事が多いと思いますが。間の200や800もあります。

この数字の違いは、簡単に言えばフィルム粒子の大きさの
ようなモノで、数字が大きければ1粒?が大きくなり
大きいと弱い光もキャッチ出来やすくなります。
反面、粒子が荒く光量が多く得られる場合は、キメの細かい
数字の低いものが、綺麗な訳で光量をどこまで絞れるか
(露出)で選択します。
理想は外がf16室内がf8は、絞りたいと言うのが撮影部には
ありますが、曇りや電源などの問題から開放方向に
(簡単に言えば良く無い方向)しなければいけない事もあります。

ウルトラでは、レンズもそうですがフィルムも今よりけして言いモノ
ではなく(開発的に)ASA32や50〜40〜64が使用されています。
なので、絞り値ものが当てはまる時代では無いのですが方向的には
絞れる(f値の数字が多い)方が、綺麗と言えるのは同じです。
セット内部では、f2.8〜3.2U警備隊の廊下などはf2.3〜2.5だった
そうですから、当時としては普通のやや開放ぎみな所です。

照明フィルターもB5・B4が主だったそうで、今より照明の赤みが
キツかったのが解ります。*B>ブルーフィルターで数字は濃さ。
QちゃんはB5・B3しか使用した事が無いですしB5はよほどの
窓近くなど以外使用しませんでした。(^^;

完成ポジフィルム

ウルトラマンゾフィのフィルム缶
上映用のポジフィルムが入る。
昔の上映は何本かの巻(主に奇数と偶数)で別け
2台の映写機で繋いで上映する映写技師さんの腕が必要で
画面の角(主に上)にマークが数コマ焼かれていました。
初号は「1」とか「初」の文字が入ります。

 

現像処理
ネガフイルの現像 カラー・インターミディエイト・インターネガ
B/Wネガ(白黒の事)

ポジフイルムの現像 カラーポジ・B/Wポジ


焼付処理
密着プリント 16mm>16mm

縮小プリント 35mm>16mm

拡大プリント 16mm>35mm

大型映像処理 35mm(4P・8P>70mm(5P〜15P)

デジタルサウンド処理 SRD,SDDS,DTS      
                 ドルビーデジタル・サラウンドEX   

特殊現像処理 増感、減感、フラッシング

スーパーインポース゜処理 タイトルやテロップの焼きこみ

デュープフイルムの作製 原版保護や特撮など
ネガ>インターミディエイトポジ>インターミディエイトネガ

ポジ・ネガ

初級編 ポジは画面や写真で通常見てるのと同じ色世界で
ネガと言うのは反転された画像の事です。
映画やTV画面は、ポジを見て居ると言う事です。*画像上段。

ポジ編集

通常編集のつなぐ作業はポジで行われ
ビューワー(*下記)などで見て切ったり繋いだり
OLなど効果を指定して繋ぎ焼く元の設計図のような
状態を作りだすのがポジ編集です。
これは、TV放映などでは速さが要求されるので
キズや指紋も関係なく、チャコペンと言うペンで
どんどん現像処理の指定なども書き込んでいきます。

作業そのものよりも尺(長さ)や切りどころを
把握してなければ出来る技では無く、撮影現場しか
知らない方はなんでここで斬ったのか?と、苦労した
特撮カットなどでは特に思うようですが、編集の斬り
所は、全体のリズムや流れを重視する事の方が
多いモノで、昔は撮影部も必ず編集を経験したのですが
今は、あまりそこまでの人を育てる余裕は無いようです。(^^;

特撮がまだ上がってこないドラマ部分だけの時などは
予想される秒数の
(白など)いフィルムを
繋げておく仮編集がなされたりします。

スプライサー

8mmフィルムで編集した事ある方には解ると思いますが
16mmも同じで、8mmはネガが無いですが(手元に)
同じポジフィルムで編集します。
スプラサーで切り、いらないコマを外して、繋ぐフィルムの
パーフォレーションを合わせて、専用のテープで止めます。

*効率良い編集や、音声フィルムを同時に出来る
Wタイプの物(写真右)もあります。

ネガ編集

ネガ画像の下段 ポジ編集で繋がれた設計図を見ながら
ネガを番号(コマの横にあるシリアル番号)通りにで繋いで
造られるのがネガ編集で、こちらは指紋やキズも許されない
全ての作品の元になるものなので神経を使います。
*これは現像所でやってもらう作業なので撮影現場的には
いい意味でのプロどうしの信頼でおまかせ状態なのが現状です。

そこから焼いた1本目を試写してOKが出たら
各映画館やTV局分の本数が、焼かれ配られます。

*円谷英二さんや師匠の衣笠監督などはネガでの編集も
普通にしてしまう事もあったそうでネガは傷1つ付ける訳に
行かず慎重に慎重を重ねて扱うものなので今でも考えられない
くらい凄い事ですが当時のスタッフもそれを見た時は凄く
驚かれたそうです。

ムビィオラ

投射されるフィルムを小窓から覗く機構になっていて
編集中は編集者しか画を見ることが出来なかった。
それには短所も長所もあったのですが・・・66年の頃には
すでにほとんど使用されてはいませんでした。
ムビィオラを扱うには職人的技術必要で
監督さんが覗く事はあまりなく編集マンが任される機械で
スクリプターとの呼吸で作業が進められました。


特撮になると合成の素材としての尺(長さ)など本編の編集とは
少し異なる編集もあります。
科特隊のセットの中にも別の機械に見立てて置かれています
最終回が一番印象的で覗いて操作してるように芝居もあり
映りますが、他の話でも見切れています。
素人の方には計器に見えるでしょうが撮影してる人は
それが何か解るので、あまり映さなかったのでしょう。

ビューワー(手引き)

小さい投影機の着いたものでリールと共同操作して使用します。
ウルトラマンからは16mmも使用しているので
ムビィオラよりもコレと手で透かし見る編集が
メインだったそうです。

電動式のビューワー。
リールと連動していてスイッチで正・逆転が可能。

故郷は地球でキャップが色の説明で、廻す科特隊
実験道具として出てくる手回しの道具も
編集の道具の一部です。
*イラスト
QちゃんもTV番組の編集に出向して助手をしてた
事がありますが、ほんとどこの方法でした。
ビデオの編集よりもベテランの方がするフィルム方が
速いのには驚きました。
私が愛したウルトラセブンにも登場

 

モーター式のリール台(左) 手動のリールなし状態(右)
35mmや16mmの長編になると重いのでアレば便利です。


リールに巻かれたフィルム。

シンクロナイザー

 

主に音声と合わせる編集で使用します。
音声も編集時には16mm幅の茶色い磁器でフィルム状の
形をしています。
それを編集ポジと同じ長さを走らせる為に
手前にポジ、次の列などに音声をスタート時点などで
合わせると、手前のハンドルを廻す事で2つは
同じ場所を維持出来る(シンクロ)出来る装置で
構造は単純なものです。

例えば、一番左が映像、2が爆破や足音など効果音のみ
3番目が台詞(アフレコ)、4番目が音楽。
コレを、手で廻して1コマずつタイミングを合わせて行く。

音声フィルム・音声トラック

手動での編集がメインの頃の正しい再生速度や
タイミング・音質・音量をチェックし指定する
必要があります。
*科特隊や警備隊基地のコンピューター音が
台詞などより大きくなってはいけないので
どのコマからどこコマまで、どのくらいの音量かを
測定チェックして指定します。

一種のプレーヤーであり測定器でもあります。
写真・ウルトラマン1.2期で円谷プロで使用されていた物。
*スピーカーは撮影所や学校などにもあった
壁掛けを改良したモノ(^^;

中は真空管を使用していました。

特に音楽とのタイミングが重要になり
受像機(TV)の進歩などから撮影時点で
音声(主に音楽)との連動が必要になり進歩します。
*OP・音楽などのドラムの音などで1コマ光るなど。

スティンベック 卓上編集機)

卓上編集機の総称的にも言われます
卓上編集機と漢字で呼ぶ方もいます。
東京オリンピック前くらいにドイツから
入ってきた編集機で真中にモニターがあり
監督や複数の人も同時に見れるのとフィルムをモーターで
操作させれるので大きなリールも苦労なく編集できました。
いろんな改良と進化がある機械です。
この登場からム
ビィオラは少しずつその役割を
交代して行った為小道具としても使用された
姿を消して行きました。

Avid

スティンベックの次に登場した編集機材で
パソコンが操作ができれば誰でも編集ができる大変便利
機械です。フィルムの編集もビデオの編集も混在も
あまり編集作業に差を無くした機械で現在の主力です。

                        

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