ソウル市松坡区石村洞のアンダーパス(地下立体交差)周辺で相次いで発見された地下空洞について、ソウル市の専門家調査団は22日「サムスン物産によるずさんな施工管理が原因」との暫定結論を下した。これにより、地下鉄工事を請け負っているサムスングループは混乱に陥っている。サムスン側は「最終的な調査結果が出なければ分からない」との立場だが、内部では困惑を隠せない様子だ。グループの関係者は「サムスン物産の責任だと最終的に確定すれば、旅客船『セウォル号』沈没事故の余波が続く中、『安全管理がずさんだった』との非難は免れないだろう」と語った。
サムスンは、今月14日に「地下空洞の原因は地下鉄9号線の工事」とする1次調査の結果が出た直後から「責任はサムスン物産にある」と非難される事態を懸念していた。17日は日曜日だったにもかかわらず、グループの未来戦略室の役員のほか主な幹部も出社。サムスンは地下空洞について、地下鉄工事と直接関係のない部分の責任まで問われ「手抜き工事を行う建設会社」とのレッテルを貼られることを懸念している。
一方、第2ロッテワールドの建設工事と地下空洞の関連性が疑われて緊張が走っていたロッテグループは「第2ロッテワールドとは無関係」との見方が支配的になったことで、大きく胸をなでおろしている。ロッテの関係者は「以前から客観的なデータを通じ、石村洞のアンダーパスを含め松坡区で見つかった地下空洞が第2ロッテワールドとは無関係であると主張してきたが、その主張が正しいことが確認された」と話した。
第2ロッテワールドは、ロッテグループがソウル・蚕室駅交差点近くに地下6階、地上123階建てで建設を進めているが、工事現場近くの石村湖で水位が低下していることや、今年に入って松坡区内で地盤沈下が起きていることから「これらの問題はロッテワールド建設が原因」と疑われてきた。だが、この日の暫定結論により、ようやく疑惑から解放されることになった。