―最近、韓中首脳会談をめぐって米国はやや不愉快に思っているようだが、同調するシグナルを送ってこないことに対する不満なのか。
「明確なシグナルが必要だという点ではそうだ。中国は地域内の国家を分けて個別に対応しようとしている。こうした側面から見ると、韓国の対外政策にはやや問題がある。米国の力強い同盟国でありながら、中国との経済的協力を拡大するなど賞賛すべき点もあるが、問題は日本に対する敵対意識だ。中国が韓日関係の弱体化を目にして『韓米同盟から韓国を引き離すことができそうだ』といった戦略的判断を下せるようにしてしまう。もちろん韓国は中国の肩を持つわけではないが、中国は何かと韓国が味方だと主張することで、仲たがいさせようとしている。こうしたわなにはまってはいけない」
―だとすれば、韓国は明確な立場を表明すべきなのか。
「明確な立場というのがやや難しい。電気のスイッチを見れば、オンとオフのスイッチがあって、明るさを徐々に調節するスイッチがある。中国に対して「どちらの味方かを問いただすよりは、ある一定のところまでは関係をうまく保つとしても、ある一定の限界を超えれば調節することが望ましい。ただし、相互葛藤よりは互いに役立つ『ウイン-ウイン』戦略を構築するのが重要だ」
―中国が悪化した韓日関係を悪用するとしても、日本の責任が大きいのではないか。
「韓国が日本を懸念するのは理解できる。しかし、韓国の指導者は日本を現実的かつ冷静に評価する必要がある。歴史認識と関連して李明博(イ・ミョンバク)前大統領もそうだったが、朴槿恵大統領もあまりにも傷だけを見過ぎているようだ。過去の悪いことだけを暴き出すのではなく、地域安保のレベルで大きな青写真を描くべきだ。日本は韓国にとって脅威にならない」