韓国で「愛国ブーム」、関連商品の売り上げ急増

■130万個以上売れた「独島消しゴム」

 太極旗や独島をデザインした消しゴムやノート、筆箱なども、子どもたちの間で人気だ。モーニンググローリーが製造する「独島消しゴム」は昨年4月の発売後、これまでに132万個が売れた。消しゴムには「韓半島(朝鮮半島)の朝を開く独島」という文字と共に「収益金の一部を独島後援基金として使用する」と書かれている。モーニンググローリーのイ・チャムソル代理は「独島消しゴムを使った高校生たちは『小さな愛国者になった気分』と話している」と伝えた。また、同社デザイン研究所のチェ・ヨンシク室長は「誇らしいわが民族のシンボルをこれからも文具デザインに活用していくつもりだ」と話している。

 東島と西島の小さな模型を上部に取り付けた「独島貯金箱」も人気だ。「独島は韓国の領土です」「独島サラン(愛)・国サラン」といったキャッチコピーとミニ太極旗が付いている。

 韓国の領土に対する関心が高まっていることから、壁掛け用の地図も売れている。夏休みを迎えた子どもの教育用に買う親が増え「韓国全図」など関連商品の売り上げは8月に入り前年同期比80%近く伸びた。

■李舜臣ブーム、強いリーダーへの熱望が原因?

 「李舜臣ブーム」は出版界にも広がっている。2012年3月に出版された映画の原作小説『鳴梁』はもちろんのこと、李舜臣将軍を題材にした『刃の歌』『乱中日記』も販売が前年同期比3倍以上増えた。李舜臣将軍に関する図書も新たに20種類近く出版された。

 また、金融業界や旅行業界、おもちゃ業界も「李舜臣特需」の恩恵を受けている。ウリィ銀行が光復節を記念し「李舜臣将軍の業績と精神を振り返ろう」との趣旨で売り出した「韓国サラン・鳴梁定期預金」には、わずか1日で1000億ウォン(約101億円)の預金が集まった。

 今月13日から17日まで慶尚南道統営市で開催された「閑山大捷祭り」にも20万人余りの観光客が訪れ、地元のホテルや飲食店が恩恵を受けた。この祭りは、李舜臣将軍率いる朝鮮水軍が日本軍を打ち破った閑山島海戦を記念し、開催されている。

 「鶴翼の陣」の戦術を描写した板屋船(軍船)の出撃場面などを盛り込んだオックスフォード社のブロック玩具は、映画『鳴梁』の公開後60%以上販売が伸びた。亀甲船や板屋船の組み立てキットも人気だ。複合ショッピングモールのアイパークモールはこうした李舜臣ブームを受け、今月末まで「李舜臣特別展」を開催する。

 高麗大の朴吉声(パク・キルソン)教授は「強い国と指導者、リーダーシップを熱望する国民の思いが『鳴梁』をきっかけにあふれ出し、愛国商品の購入につながっている」と分析している。

チェ・ソンジン産業部記者
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