全羅北道益山市の聖堂農協は最近、息をつく暇もないほど忙しい。壬辰倭乱(じんしんわらん、文禄・慶長の役)で朝鮮水軍を率いた朝鮮王朝時代の名将、李舜臣(イ・スンシン)将軍の鳴梁海戦を描いた映画『鳴梁』が1500万人を動員する大ヒットとなり、聖堂農協が発売した「李舜臣将軍米」に注文が殺到しているためだ。李舜臣将軍の誕生日である4月28日に通販サイトで売り出して以降、毎月1000袋ほど売れていたが、最近になって販売が20-30%増えた。ユン・ナムヨン組合長は20日「最近ではデパートや大手スーパーからも注文がある」とうれしい悲鳴を上げた。
李舜臣将軍、太極旗(韓国の国旗)、独島(日本名:竹島)など「愛国」に関する商品の売り上げが大幅に伸びている。独島領有権や旧日本軍の慰安婦問題などに対する関心が高まっている中、映画『鳴梁』の人気も加わり国民の間で愛国ブームが起き、関連商品が売れているのだ。
■光復節迎え太極旗の販売増加、団体購入も
愛国心のシンボルである太極旗の販売も近ごろ増加傾向にある。4月の旅客船セウォル号沈没事故を受けて野外イベントが大幅に減り、販売が大きく落ち込んだが、8月15日の光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)を迎え再び販売が増え始めた。
太極旗メーカーもさまざまなアイデア商品を売り出している。旗ざおの先に輪っかを付け、風が吹いても絡みつかない太極旗、車に取り付けられる小型の太極旗、壁掛け用のフレーム型太極旗、太極(国旗の中央にある円)模様をデザインしたブレスレットやステッカーなどだ。女性タレントたちの「太極旗ネイルアート」もソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で広まり、若い女性の間で人気を博している。通販サイト「11番街」のチョン・ヒョスンチーム長は「今月に入り、太極旗関連商品の売り上げが前年同期比70%近く増加した」と話している。
国の慶事を記念する「国慶日」以外の日も、太極旗を自宅に掲げている一般家庭も増えた。会社員のチェ・ヨンジュンさん(43)は「米国では太極旗を玄関やドアに掲げている(韓国人の)一般家庭も多い。子どもたちのために先ごろ数枚購入した」と語った。太極旗宣揚運動中央会のファン・ソンギ会長によると、今月に入り10カ所ほどのマンション団地が太極旗を500-1000枚ずつ大量注文したという。