大阪市立大学の鶴田大輔教授、小沢俊幸講師らは、抗生物質の効きにくい耐性菌に対する新しい治療法を開発した。光に反応する物質を体内に投与し患部に光をあて、耐性菌を死滅させる。耐性菌に感染したマウスに適用したところ、何もしない場合に比べて傷が早く治った。成果は米オンライン科学誌プロスワンに22日までに掲載された。研究チームは企業と組み、数年後の実用化を目指す。
研究グループは火事などで全身にやけどを負った患者の場合、耐性菌への感染が治療効果に大きな影響を与えている点に注目。耐性菌に感染しても死滅させることができれば、やけどの治りが早くなるとみた。
開発した手法は耐性菌に取り込まれやすく、青色の光に当たると活性酸素を出す物質を使う。既にがんの診断薬などで実用化されている。やけどの場所に光を当てると活性酸素が発生して耐性菌は死滅する。実験では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)という耐性菌を使った。
鶴田大輔、耐性菌、大阪市立大学