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 村山富市元首相が22日、ソウルで開かれた歴史認識問題などをめぐる討論会に参加し、旧日本軍慰安婦の問題について「首脳同士が現状を踏まえて率直に話し合い、解決する以外にはない」と述べ、首脳会談で解決を図るべきだと訴えた。

 1994年に首相に就任した村山氏は、93年の河野談話を受けて慰安婦問題の解決に乗り出した経緯を説明。その末にできた「アジア女性基金」について「それなりの成果を上げた」としながらも、「完全なものだとは思っていない」と述べ、残る問題の政治的な解決を求めた。

 河野談話と、アジア諸国に対する「植民地支配と侵略」への反省とおわびを表明した95年の村山談話の見直しをめぐる動きについては「国民全体が心配している」と懸念を示した。

 一方、韓国外交省関係者は22日、自民党が21日に河野談話に代わる新たな官房長官談話を出すよう政府に求めていくことを決めたことに対し、「韓日関係の根幹を揺るがしかねない深刻な事案で、憂慮せざるを得ない」とコメントした。(ソウル=貝瀬秋彦)