そもそも、記事を掲載した段階で、読者からクレームが来なかったのか。当時はまだ、女子挺身隊の経験者も多く、記事の内容に疑問を持った人もいたはずだが、あえてその声を無視していたのか。また、混同は単なるミスなのか、それとも慰安婦の数を数十万人規模までに増すための意図的な操作なのか、これらについても明らかにする必要がある。
朝日にただ、「謝罪しろ」というのは簡単だ。しかし、それだけで日本人が失ったものを取り戻せるものではない。
何より大事なことは、朝日によって棄損された国家の威信、日本国民の名誉を取り戻すことだと思う。それには、まず朝日自身が、慰安婦決議を行った各国際機関や、各国、各自治体、現地の報道機関に対し、自らが虚偽報道を行ってきたという事実を文書でもって説明すべきだ。
朝日の動きが悪ければ、外務省が代わって行うべきだ。在外大使館がその国の言葉で文章を作り、発信してもいい。
朝日に傷付けられたものは非常に尊く重いものだが、われわれなら必ずそれを回復することができるだろう。 (取材・構成 安積明子)
■片山さつき(かたやま・さつき) 1959年生まれ。82年、東大法学部を卒業し、大蔵省入省。主計局主計官や国際局開発機関課長などを歴任し、2005年退官。同年、衆院議員に初当選。経産政務官、党広報局長を歴任する。10年に参院議員に当選。第2次安倍晋三内閣の発足に伴い、総務政務官に。現在、党環境部会長。