2011年12月、ソウル市にある在韓日本大使館の正面に、慰安婦の像が建てられた。その一報を聞いて私は急きょソウルに飛び、日本の国会議員として初めて像を視察した。
あの嘘を固めて造られた塊を見た瞬間を、私は決して忘れることができない。胸が張り裂けんばかりの無念さがこみ上げ、まるで巨大な怪物が襲ってくるかのような恐怖さえ感じた。
そして現在、米国で慰安婦の碑や像が7つも設置されている。「日本帝国軍により、数十万人の女性が性奴隷にされた」という事実無根の文字が刻まれ、言われのない汚名を全米に巻き散らしている。これらの原因を作ったのが朝日新聞だ。何と罪深いことだろうか。
その朝日が5日、慰安婦報道について検証記事を掲載し、吉田清治氏に関する16の記事を取り消した。吉田証言については20年前には裏付けのないものと指摘され、本人も生前に「つくりごと」と認めていたにもかかわらず、30年以上も放置していたわけだ。
そこには自社の報道姿勢に対する真摯な反省は見られず、長年の虚偽報道についての国民への謝罪もなかった。
しかも、「女子挺身隊」を「慰安婦」と混同する、致命的ミスを犯した植村隆元記者については、何もお咎めなしだ。自社の記者が書いた記事を否定すると、報道機関としてのレゾンデートル(存在価値)を失うのかもしれないが、そんなレベルの問題ではない。