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【大リーグ】

岩隈、マーに並ぶ日本人今季最多12勝目 8イニングを4安打無失点

2014年8月21日 紙面から

◇マリナーズ5−2フィリーズ

 秘密兵器だ!! マリナーズの岩隈久志投手(33)は19日(日本時間20日)、敵地フィラデルフィアでのフィリーズ戦に先発。無四球で今季最多の11三振を奪うなど、8イニングを4安打無失点に抑え、ヤンキースの田中将大投手(25)と並ぶ日本人最多の今季12勝目(6敗)を挙げた。米放送局ESPN(電子版)は、特集記事で岩隈を「マリナーズの秘密兵器」と評した。これで、敵地での交流戦は今季22イニング連続無失点。5−2で勝ったチームは、タイガースと並ぶポストシーズン(PS)進出圏内のワイルドカード(WC)2位を守った。

 10月の大舞台で見てみたい−。そう思わせる快投だった。圧巻は4回だ。1死から二塁打を許し、この日唯一、得点圏に走者を背負った。ここからローボールヒッターで知られるバードを低めの宝刀スプリットで空振り三振。さらに、続くブラウンもフルカウントから86マイル(約138キロ)スプリットで空振り三振。岩隈は何事もなかったかのように無表情で、ゆっくりとベンチに歩いた。

 「自分のピッチングができたと思う。ここってところで三振が取れたのが一番大きかった」。時事電などによれば、岩隈は笑顔で胸を張った。貧打の味方打線も珍しく初回に2点を援護してくれたため、「初回に先制してもらったので、どんどん腕を振ってストライク先行で投げていこうと思った」と、より攻撃的に投げられた。

 最近の充実ぶりは特筆ものだ。7月からの限定では、両リーグ最多の7勝(2敗)、リーグ2位の防御率1・63。ESPNは岩隈を「秘密兵器」と評し、「過小評価は、ほとんど犯罪だ。イワクマとヘルナンデスのダブルエースがいなければ、マリナーズにとってPS進出は妄想でしかない」と激賞した。

 制球力に至っては歴史的だ。9イニング換算の与四球率0・73は、両リーグ先発で断トツ。同局によれば、これは2005年ツインズのカルロス・シルバ(0・43)、1904年のサイ・ヤング(0・69)に次ぐ歴代3位。球団公式サイトによれば、マ軍の球団記録は1998年のジェイミー・モイヤー(1・61)で、この半分以下の数字をたたき出している。

 同僚も舌を巻いた。6回に19号ソロで中押ししたシーガーは「信じられない。8回に電光掲示板を見たら、まだボール球が20に達してないんだ。後ろで守っていて、しびれるよ」とまくし立て、ズィニーノ捕手は「初見でクマを打つのは、フラストレーションがたまるだろうね」と、初顔合わせだったフィ軍の打撃陣を気の毒がった。

 チームもここ18戦13勝目でWC2位を死守した。「これからが本当に大事な試合になってくる」と岩隈。マ軍が最後にPS進出した2001年、主役は当時メジャー新人だったイチローだった。それから13年ぶりの晴れ舞台で主役になるのは、背番号18の右腕だ。

 

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