対馬丸:撃沈70年 平和の思いを新たに 那覇で慰霊祭

毎日新聞 2014年08月22日 20時36分(最終更新 08月22日 23時36分)

対馬丸慰霊祭で黙とうする参列者=那覇市で2014年8月22日午前11時36分、和田大典撮影
対馬丸慰霊祭で黙とうする参列者=那覇市で2014年8月22日午前11時36分、和田大典撮影

 太平洋戦争中の1944(昭和19)年8月、学童疎開船「対馬丸」が米潜水艦に撃沈され、児童ら1400人以上が犠牲になって70年になる22日、那覇市の慰霊碑「小桜の塔」で慰霊祭が開かれた。遺族や生存者ら約450人が参列。平和の象徴とされるチョウのオオゴマダラを空に放し、平和の思いを新たにした。

 1分間の黙とうの後、高良政勝・対馬丸記念会理事長(74)が「年々遺族や生存者が少なくなっているが、多くの人の理解と協力で対馬丸の認知度は徐々に大きくなっている」とあいさつ。高良さんは4歳の時に乗船し、両親ときょうだいの9人を亡くしている。

 対馬丸は44年8月21日夜、約1700人を乗せて那覇を出港。長崎に向かう途中の翌22日午後10時12分ごろ、鹿児島県・悪石島の北西約10キロで米潜水艦の魚雷を受け、午後10時23分ごろ沈没した。対馬丸記念館によると、これまで1485人が犠牲になったことが判明し、うち780人が学童だった。【佐藤敬一】

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