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 東京電力福島第一原発の建屋周辺の井戸から放射性物質を含む地下水をくみ上げ、浄化後に海に流す計画で、東電は22日、試験をしたところ放射性セシウムは出なかったとする結果を発表した。「浄化装置の性能は確認できた」として25日に漁業関係者の会合でも説明し、放出への理解を求める考えだ。

 東電は12~16日に42本ある井戸「サブドレン」のうち10本から地下水をくみ上げ、20日に浄化試験をした。浄化前は水1リットルあたりセシウム247ベクレル、ベータ線を出す物質290ベクレルが検出されたが、浄化後はどちらも検出できないレベルまで下がっていたという。装置で除去できないトリチウムは浄化後も同670ベクレルほどあったが、いずれの濃度も、建屋から離れた山側で水をくみ上げて海に流す地下水バイパスの放出基準は満たしているという。

 東電は、建屋に流れ込む地下水で1日約400トン増えている汚染水が計画によって約200トン減らせると説明している。(小坪遊)