ALS(筋萎縮性側索硬化症)の支援運動として、氷水をかぶるか、100ドルを寄付するかというアイス・バケツ・チャレンジが今盛り上がっているようです。
※もはやバケツではない。
アイス・バケツ・チャレンジとは
この運動について、ご存じない方はこちらをどうぞ。
この運動は全米で大きな反響を呼び、各界の著名人も積極的にこの運動に関わっている。フェイスブックCEOマーク・ザッカーバーグより指名されたマイクロソフト元会長ビル・ゲイツはこのために氷水をかぶる装置を制作、それを使い氷水をかぶる様子を動画に公開した。
(中略)
ALSと言われてピンとこない人でも、理論物理学者のホーキング博士が長年罹っている病気と言えばと分かるでしょうか。
※アフィリエイトではありません。
このALSについて支援運動がSNSを中心に今月初旬から盛り上がっているようです。
批判の声
一方で、この運動に批判的な声もあります。
アイスバケツチャレンジはノブレス・オブリージュか
氷水を頭からかぶったって、本当にそれが支援になるのか | Ben Kosinski
批判を整理すると、こんなところだと思います。
- 著名人のPRになっているのではないか
- 悪ふざけをしているように見える
- 氷水をかぶる理由が分からない
- 自分がやった後3名を指定するというのがチェーンメールっぽい(強制されている)
- 氷水をかぶらず寄付だけすればいい
- 氷水を作るための氷を買うのがもったいない(その分寄付した方がいい)
- 肝心のALSについて理解が深まっていると言えない(一時的なブームで終わってしまうのではないか)
- ALS患者がだしに使われている
- 海外に寄付をするなら日本の慈善団体に寄付した方がいい
主要な批判は、1・4・7・8ですかね。もはやALSについてはどうでもよく、偽善になっているのではないか。
スッキリする図
自分は特定の数人の報道にちょっとモヤモヤするなぁと思って色々調べていたのですが、この支援運動によって集まった金額が分かって、少しスッキリしました。
ということで、皆さんにもスッキリをお裾分けするべく、寄付金額の合計額をグラフで紹介しておきます。
※期間は、7月29日から日付の間までに米国ALS Associationへの寄付金額の累積です。数値はプレスリリースより取っています。
約20日で4200億円ぐらい集まってますね。ここ3日で2倍。同じ期間で2013年は210億円ぐらいですから、昨年対比でちょうど20倍ぐらいです。
ALS Associationの2013年の収入は約2900億円ですので、その金額をたった20日で上回ったというのですから、この金額の大きさは想像できるでしょうか。このままいけば、今月末には1兆円に届きそうですね。
これだけ集まっているのであれば、ALS治療のための研究にも随分お金が回りそうです。自分はこの数字を見て、この運動を肯定的に認めたほうがいいなと思いました。
締め
アイス・バケツ・チャレンジは確かにパフォーマンスに過ぎるところはありますけど、お金だけではなく、ALSに対する理解度も深まっていると思うんですよね。日本に限定すると、こういったことが流行ることで寄付文化が根付くきっかけになるかもしれませんし。
この運動に背景があるのか、英語版のWikipediaの説明を読んだりして、今は自分はほぼスッキリしています。
Ice Bucket Challenge - Wikipedia, the free encyclopedia
ということで、以下、公式の寄付ページを紹介しておきます。
Ice Bucket Challenge - The ALS Association
最低5ドルから受け付けていて、100ドルじゃないとダメということはありません。ただ、あまり多額にしても、海外への寄付なので日本国内の寄付金控除の対象にはできないんじゃないかと思いますが。(今回の運動に参加する法人は米国子会社が寄付をするのかな。)
以上、本題です。以下、余談です。
余談
日本国内の寄付市場について、ついでに調べたので紹介しておきます。
日本の寄付市場はおおよそ1兆円~1.4兆円規模です。個人の寄付総額はここ十年ぐらいほぼ変わっていなかったのですが、東日本大震災以降で特に増えたようです。その1/3ぐらいの金額がアイス・バケツ・チャレンジで集まっているのですから、凄いですよね。(アイス・バケツ・チャレンジの寄付は世界全体で展開されていますから、純粋に日本と比較するものじゃないですけど。)
寄付白書 / Giving Japan « 日本ファンドレイジング協会
日本で寄付といえば、赤い羽根共同募金が有名です。ご存じの方も多いと思いますが、この募金活動はここ10年以上低迷しているんですよね。平成7年は265億円だったのが、平成24年には190億円まで減少しています。特に街頭募金や学校募金が著しく減少していて、サッカー場や野球場でのイベント募金がどうにか健闘するもカバーしきれないという状況です。
今回のアイス・バケツ・チャレンジについての評価が良い方向で固まれば、同じ手法を利用した募金活動が恒常的に行われるようになるんじゃないかと思います。例えば、Facebookで赤い羽根共同募金に募金すると、それがアクティビティとして表示されるとか。
「『このクラスでまだ募金をしていないのはあなただけです』と担任の先生から言われました」「募金活動に『いいね!』を押さなければならないのが苦痛です」なんて悩みが発言小町に投稿される日も近そうですね。