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マンガの古書、フィギュアなどを売る東京・中野の店が、万引き犯とおぼしき…
マンガの古書、フィギュアなどを売る東京・中野の店が、万引き犯とおぼしき人物の顔写真の公開を考えていると明かし、議論をよんだ。
盗んだ品物を期限内に返さなければ公開すると、ホームページ上で通告したのだ。
盗まれたのは、販売価格27万円のブリキ製おもちゃ。店は警察の要請に応じ、顔写真の公開は踏みとどまった。警察は提供された画像も手がかりに、容疑者の男性を逮捕した。
それでも店側は「多くの捜査員を投入するくらいなら、映像を公開した方が効率的では」との思いを残す。
背景には、警察に被害を届け出てもなかなか捜査に動いてくれず盗まれた物を取り戻せないという不満もあったのだろう。
しかし当事者が犯人を特定し、その写真を公開することは大きな問題をはらんでいる。
いったんホームページ上で公開されれば、事件が解決し、店側が削除しても、その画像はインターネット世界を漂い、半永久的に残る。
公開画像が本当に犯人かどうかの検証もできず、人違いのおそれも排除できない。
商品を取り返すことが目的だったにせよ、犯人として顔をさらされた側には強い制裁となる。第三者から攻撃されるなど、公開した側が意図しない事態を引き起こすかもしれない。
だから、日本を含めた法治主義のほとんどの国では私人による訴追、制裁を認めていない。犯罪の捜査は警察などの捜査機関にゆだねる。その刑事手続きも、容疑者の人権をふまえ厳格に定められている。
万引きは軽い犯罪と思われがちだが、小売店経営への影響は深刻だ。小売業界などが作る全国万引犯罪防止機構は被害の実態調査から2010年、国内での年間の被害総額を4615億円と推定した。
防犯カメラや警備員にかかる負担は、きちんと金を支払う客に回ってくる。どうやって万引きをなくしていくかは、社会全体で向き合うべき問題だ。
書店が少年の万引き現場をビデオ撮影して販売したり、ディスカウント店が万引きした客の顔写真を店に掲示したりするケースは90年代からあった。
いまや防犯カメラは社会のいたるところにある。インターネットなど、企業や個人は自ら伝えたいことを広めるツールをもつ。私的な捜査、制裁はその気になればできてしまう時代だ。
だからこそ、その影響の重みを一人ひとりが考えて行動しなければならない。
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